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「ちょっと、エリーナ!人がこれから楽しく朝食を食べようとしてる所に、何しに来たのよ!」


シンシアさんは勢いよく立ち上がって大声を上げてエリーナに向かって言い放った。


「何が楽しく朝食よ!シンシア、あなたね!仮にもギルドマスターでしょうが!」


エリーナも大声を上げながら言葉を放った。


「確かに私はギルドマスターだけど、だから何よ!何が言いたいわけ!」


そんなシンシアさんの言葉を聞いたエリーナは呆れた顔をして、ため息を吐きながら


「はぁ……あなた、本当にギルドマスターなの。昨日ダンジョンで不自然な魔法陣から、あなたのパーティが出てきたってことが報告されたのよ。そもそも、ダンジョンで特殊な異変が起きたら、そのダンジョンの管轄しているギルドに報告するのが、決まりだって事ぐらい冒険者の初心者ですら知ってる事よ!」


ちなみに、俺は冒険者の初心者だけど初耳なんだけどって口を挟んだら、話がややこしくなりそうにで言わないでおいた。


「ぐっ!エリーナの癖に正論を言うなんて」


シンシアさんはエリーナに正論を言われたのが悔しいのか、ぐぬぬっと呻きながら悔しそうな顔をして手を力いっぱい握りしめて拳を作っていた。


それにしても、漫画がやアニメで、たまにぐぬぬって言うセリフを見たり聞いたりした事があるけど、現実でそれを聞くことになるとは思わなかったな……それも親しい人から(でも、前も漫画みたいなセリフを吐いてたな)。


「まぁ、いつもヴェルザンディ教の事しか考えてないほどの、ヴェルザンディ教オタクだと、こんな常識も忘れちゃうのは当然かしら、おほほほ〜」


そう言ってエリーナは高笑いをした。


まさか今度はおほほほ〜って笑う人を見るとは思わなかったけど、エリーナに高笑いをされるとかなりムカつくな。


「ちょっと!エリーナ!また、ヴェルザンディ教オタクって言ったわね!今日という今日は許さないわよ!」


シンシアさんがそう言い終わると。シンシアさんは、握ってた右手を振りかざして高笑いをしているエリーナの顔目掛けて右ストレートを当てようとしたがトーマさんが間にはため、その拳はトーマさんの手のひらにバシッとした音を立てて当たった。


「シンシアさん、頭にくるかもしれないが。流石に殴るなは、なしだと思うぜ」


トーマさんが諭すように言ったら、殴られそうになったエリーナがトーマさんを押しのけてシンシアさんの前に立って。


「ちょっと!シンシア!あなた、わたしの正論に対して、殴りかかろうとするなんて!これだから、オタクは嫌なのよね。もういいわ。これ以上ここで話しても時間の無駄だから、シンシアと一緒に居たそこの2人!後でわたしの部屋に来て、ダンジョンで起きた事を詳しく話しなさい。これはギルドマスターの命令よ!あなた達には拒否する事はできないから!それじゃあなた達戻るわよ」


そう言うとエリーナは取り巻きを引き連れてドカドカと音を立てて食堂を後にした……もう少し静かに帰れないのかよ。周りがザワついてるし。


はぁ、ギルドマスターのエリーナに命令されたので俺達は後でエリーナの部屋に強制的に行かないと行けなくなった。凄い面倒くさいからバックれたいけど、ギルドマスターの命令だから行かないと行けないのか。権力って味方だと頼もしいけど、敵対してる相手の権力はやっかいだな。


「私ったら、取り乱して皆ごめんなさいね。特にトーマありがとう止めてくれて」


「おうよ。それにしても相変わらずここのギルドマスターは性格が悪いな」


「うん、あたしもそう思う。あたしもあんな事言われたら、シンシアさんみたいに殴ちゃうかも」


「ニーナ、嫌な相手でもあまり暴力で解決しちゃダメよ」


とナタリアさんがニーナさんに窘めるように言ったけど。あまりって事は暴力で解決した事もあったって事か意外にこの2人って暴力的なのか……


「おい、ニーナ、ナタリア、暴力で解決はダメだぞ」


「そうだぞ。2人とも」


トーマさんの言葉にエジさんも同意して言った。ちょっと失礼だけど意外だな。前衛の人ってなんか暴力で解決しそうなイメージだから、でも考えて見ると前世でボクサーとかが喧嘩の時に手を出しちゃいけないって聞いた事あるし。前衛が本気を出して殴ったら洒落にならないから、なのかもしれないな。


「あの、嫌な気分を忘れる為にとりあえず朝食を食べませんか」


ナユナの一言を皮切りにみんなもそれに同意して、店員に注文をして食事が来るまでこれからの事を話す事にした。


「それにしても、災難だったね。さっきも言ったけど、ここのギルドマスターは性格が悪いって有名だしね」


「そうね。だけど自分が気に入った男の方に優しい見たいらしいわよ」


ニーナさんとナタリアさんがシンシアさんを慰めていた。


そう言えば、最初にエリーナに会った時レイドにメロメロだったし。あとライカさんの事も気にしてたしな。イケメンが好きなんだろうな。


「そうなのよ!エリーナの奴、昔から顔がいい男に愛想良くしてるのよね。全く私の事オタクってい言う癖にあっちなんかただの面食いじゃないの!あ~~!本当にムカつくわ。また後であいつの顔を見ないといけないなんて!」


シンシアさんがエリーナの悪口を言ってるとナユナが


「シンシアさん、とりあえずエリーナさんの事は忘れましょうよ。そう言えば、トーマさん達は食事が終わったら、またダンジョンに行くんですか?」


ナユナがエリーナの話題をそらしてトーマさん達の今日の予定を聞いた。それに対してトーマさんは苦笑いをしながら頭をポリポリ掻きながら


「あ~、それなんだがな。もうここのダンジョンの活性化が終わったから、俺らのパーティは今日で解散する事になってるんだ」


「ええ!?パーティ解散しちゃうんですか」


「うん、りん君、これは前から決めてた事なんだ」


「そうだったですか」


そう言えば、前に臨時でパーティ組んでるって言ってたけな。仲が良くても同じ目的が無くなったら、パーティ解散するのか冒険者ってドライなんだな。

でも俺も、ちょっと前にマラカイトでガイ達とパーティ組んでたな。このダンジョン来るためにパーティ解散したし。俺も結構ドライになったな。それにしても、ガイ達元気にしてるかな。


「あとね。あたし達、今日この街から出る事にしたんだ。だから、みんなで一緒にご飯食べるのも今日で終わりかな」


「えぇ~、今日ですか?!」


「うん、あたしとナタリアは帝都でトーマ達は……どうするんだっけ?」


「あぁ、俺達は討伐依頼がありそうな街に行くつもりだ」


「そうなんですか。まだこの街に居るんだと思ってました。寂しくなりますね」


そう、ナユナが言うとニーナさんが


「トーマ達は色々な街に行くから会うのは難しいかもしれないけど。あたし達はしばらく冒険者はお休みしてのんびり帝都に居るから、帝都に来たら帝都の冒険者ギルドに話を通して置くから、ギルドでりん君達が来たことを言ってくれれば、いつでも会えるから、いつか帝都にも来てね」


そうか、ニーナさんとナタリアさんは冒険者を休業するのか、俺も今回ダンジョンで手に入れたお宝が高値で売れたら(多分高く売れるだろう)、冒険者を休業してジルコンで部屋を借りてしばらく落ち着いたら、ニーナさん達が居る帝都に行くのもいいかもな。そんな人生プランを考えていたら


「おう、帝都は良い所だぞ。まだ行って無いなら行った方がいいぞ。何ったって珍しい物が沢山あるからな。それに……まだりんには早いけどいい店も沢山たるぞ。ハハハ~」


「エジの言うとうりだな。確かにりんには、まだ早いがあと10年したら、いい店紹介してやるよ」


ははは……この2人が言ってるいい店ってキャバクラ見たいな大人のお姉さんが居る店の事かってか2人とも子供(見た目だけどね)にそんな店を勧めるなんて……「ちょっと!エジとトーマ子供になんっていう店を紹介しようとしてるのよ!」「あた!」「いて!」案の定ニーナさんのヘイト買い2人はニーナさんに1発づつ頬を殴られていた。


「りん君、エジが言った。いい店って帝都で美味しいお菓子のお店の事だからね。りん君が帝都に来た時にはあたしが連れて行ってあげるからね」


あぁ、なんかニーナさんに変に気を使わせちゃったよ。ナユナ達が居て、ちょっと恥ずかしいけど。ここは見た目通り子供らしく……


「ウン、ニーナさんタノシミにシテルネ」


少し棒読みな感じになったけど。子供らしさアピールは出来たかな?


チラッとナユナとシンシアさんの方を見たら、なんとも言えない感じの顔をしてたけど。たぶん気のせいだよね。


《うわぁ~りんって演技下手だね》


うるさいわ!クロめ!そんなの自分でも知ってるっての!


「わかった!りん君、あたしのオススメのお店いっぱい連れて行ってあげるね」


ニーナさんは満面の笑みを浮かべながら言った。ニーナさんめちゃくちゃいい人だ。


そんな話をしていたら、ちょうど食事も来たので話を切り上げるチャンスだと思い俺は食事に集中する事にした。ナユナとシンシアさんはニーナさん達と楽しそうに食べていた。そしてたまにニーナさんに頬を殴られていた2人の痛そうな声が聞こえるが自業自得なので聞こえないふりをした(こっちは下手な演技をナユナとシンシアさんに見られてたんだから回復魔法は使ってやらないぞ)。


「ご馳走様~、ああ~お腹いっぱい。これだけ食べたら、馬車の中でお腹が空くこともないかな」


「そうね。馬車で移動だとまともな食事が出来るのは、途中で寄れる村か宿場町くらいね」


「村や宿場町って帝都って、ここからそんなに遠いんですか?」


「ええ、ここからだとだいたい馬車で5日くらいかしら、途中宿場町で泊まったりもするから、そのくらいだと思うわ」


えぇって事はジルコンの街からだと、マラカイトまで馬車で確か半日くらいで、そこからカルセドニーまでが確か1日くらいだったかなって事はだいたい6日半から7日くらいか……めちゃくちゃ遠くないかジルコンから帝都まで、途中で休憩とか泊まったりもするみたいだけど。

何よりずっと馬車の中ってのが耐えられそうにない……う〜誰かスマホをくれ……絶対スマホがないと耐えられないぞ(これがスマホ依存か)。そんな無い物ねだりを考えていたら


「あっ!そろそろ出ないと馬車の時間に間に合わなくなる」


「そうね。早く支度しないとだめね」


「あたし達そろそろ行くね。バタバタしちゃってごめんね。帝都に来たら、ゆっくり話でもしようね。それじゃあまたね~」


「それでは皆さん、また帝都でお会いしましょうね」


そう言ってナタリアさんは軽くお辞儀をした後にニーナさんを追って食堂を後にした。


「相変わらずだな。あいつらは」


「そうだな。じゃあおれ達もそろそろ行くか」


「あっじゃあ、街の出口まで見送りに行きますよ。ニーナさん達にはで気なかったので」


俺がそう言うとトーマさんが


「いや、大丈夫だ。それよりも、この後めんどくさい奴に会うだろ」


「あっエリっギルドマスターですね」


俺はハァっと息を吐いて肩を落としながら言った。


「そうそう、これから、ここのギルドマスターに会うんだから、俺達の見送りは大丈夫だ。それよりも、りん頑張れよ」


そう言ってトーマさんは俺の肩をポンと叩いた。


「それじゃあ、俺達は行くわ」


「どっかの街出会えたら、今度は飯奢ってやるからな。それじゃあな」


「はい、トーマさん、エジさん、お元気で」


俺の言葉を聞いたトーマさんは後ろ手に手を振ってエジさんと食堂を後にして出ていった。


それにしても、なんかバタバタして嵐見たいな朝だったな。


そして、これからエリーナとの話し合いか……シンシアさん冷静に話し合いできるか、さっき見たいに殴り合いになったら、真っ先に止めに入らないとな。




とりあえずシンシアさんにマインドガードを強めに掛けておくか……

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