カルセドニーダンジョン㉕
魔法陣でダンジョン入り口に帰って来たけど。
まさか、人がごった返している。ど真ん中に移動するとは思わなかったな。
今も、好奇な目で俺達を沢山の人達が見てるし、さてこれはどうしたらいいのだろうか、このままスルーしてダンジョンから出たいけど。そんな事を思っていたら意外な人物が俺達に話しかけて来た。
「アレって、シンシアさんじゃないか」
「あぁ、ナユナちゃんも居るし、そうだな。ちょっと前を通してくれ」
「おーい、シンシアさんとナユナちゃんとあともう1人はりんか?」
人混みからかき分けながら出て来たのは、トーマさんとエジさんだった。
それとトーマさんの後ろに居る人達はトーマさんのパーティの人かな?
「トーマ、エジ!まさかダンジョンで会えるとは思わなかったわ。ギルドで会ってから、だいぶ日にちが経ってるから、もうダンジョンの奥に降りてるのかと思ってたわ」
「シンシアさん、俺的には、本当はもう少し早くにダンジョンに行きたかったんだけど。今パーティを組んでるパーティリーダーのナタリアがもう少しダンジョンの情報が集まってから、ダンジョン攻略を再開しましょうって言うからちょっと時間がかかちまったんだ」
トーマさんがそう言うと後ろに居た綺麗な女の人が俺達とトーマさんの間に入って来て
「トーマ、ダンジョン攻略には情報は大事よ。それより、こちらの方達を紹介してくれないかしら」
「そうだよ!あたしも紹介して欲しいんだけど!」
今度は背の小さな可愛い女の子がトーマさんの後ろでぴょんぴょん跳ねながら大声を出して、こっちに来たけど。すごい元気がある女の子だな。
「すまねぇ、ナタリア、あとニーナ!ちゃんと紹介するから大声出すなよ。多分2人も知ってると思うがダンジョンマスターって異名で呼ばれてるシンシアさんとこっちの可愛い女の子は俺達が昔パーティを組んだ事があるナユナちゃんで、こっちの小さい奴はりんだよな?」
まぁ、疑問に思うよね。トーマさんの前では仮面を取らなかったしねって取ってたら、討伐さちゃうしね。
「なんで、紹介してるのに疑問系なのよ?!」
「いやぁ、ギルドで会った時はフードを被って仮面を付けてたからなぁ、りんで合ってるよな?」
「合ってますよ。トーマさん」
「おぉ!やっぱり!りんだったのか!仮面を取った顔を初めて見るが、やっぱハーフオーガってだけあって男前だな!な!エジもそう思うだろ」
「あぁ、そうだな。りんがこんな男前だとは思わなかったぞ」
そう言いながらトーマさんとエジさんは俺の頭を力強く2人でわしゃわしゃと撫で回された。
「トーマ!エジ!そんなに撫で回したら、可哀想でしょう!それに、あたし達の事も紹介しないとあっちに失礼だよ!もう自分から自己紹介するからね。あたしの名前はニーナよ。よろしくね!シンシアさん、ナユナちゃん、りん君!」
ニーナさんが元気よく自己紹介をしてくれたけど、この人本当に元気だな。
「そうね。トーマに任せたら、いつまでも自己紹介が出来ないわね。わたしはナタリアよ。よろしく」
そう言ってナタリアさんも自己紹介をしてくれた。それにしてもこの人、本当に大人のお姉さんって感じの人だな。物静かで落ちついて。
そう言えば、シンシアさんも初めは、こんな感じの大人のお姉さん見たいな感じだったのに。
今では、ちょっと残念なお姉さんになってしまったなとしみじみ思って居た。
俺達は3人で改めて自己紹介をしてニーナさんとナタリアさんによろしくと軽く挨拶をして自己紹介は終わった。ナユナが周りをキョロキョロと見て申し訳なさそうに
「あの、自己紹介も終わった事ですし、少し移動しませんか。ここだと他の皆さんの邪魔になりそうですし」
確かに、俺達っていま人がごった返している所のど真ん中に居るんだよな。めちゃくちゃ注目を浴びてるしな。
「そうね。少し人がいない場所に移動した方がいいわね。皆もいいかしら」
シンシアさんがそう言うと他の皆も頷いて俺達は人集りを避けながら、人が少ない場所へと移動した。
◆◆◆
しばらく歩いてちょうど人が居ない静かな場所が合ったのでそこで立ち止まったらシンシアさんが
「ここなら、人も居ないし。折り入った話も出来るでしょう。大体は想像できてるけど、トーマ達はどんな事が聞きたいのかしら」
シンシアさんが真剣な顔をして、そう言うと。観念したようにトーマさんが
「シンシアさんには敵わないな。ナタリア、俺が話を付けてもいいか?」
トーマさんがナタリアさんに確認を取るとナタリアが「ええ、お願い」と頷きながら言ったのでトーマさんが話し出した。
「単刀直入に聞くが、シンシアさん達はこのダンジョンを完全攻略したかって事を聞きたいんだ」
「本当に単刀直入に聞いてくるのね。いいわよ。それに教えなくてもその内わかってしまう事だしね。ええ、私達はダンジョンを完全攻略したわ」
シンシアさんのその言葉を聞いた。4人は「やっぱりか」肩を落として、4人はショックが大きかったのか、しばらく無言になった。
それを見ていた。シンシアさんが肩を竦めてやれやれとポーズをとって
「だけど、私達が行った最深部って特殊な場所ただったのよね。前に行った場所とは明らかに違う場所だったのよ。」
「それはダンジョンが活性化してたからじゃなくてか?」
トーマさんの質問に対して、シンシアさんが首を横に振って
「私も伊達にダンジョンマスターと呼ばれてるだけあって、色々なダンジョンを攻略したから、わかるんだけど、あの場所はこのダンジョンに隠されてた。真の最深部だと思うわ。それに活性化したダンジョンだとしても、今まで、出口用の魔法陣なんてあったためしがないしね。だから私達が行った。あの場所は確実に真の最深部よ」
シンシアさんの話を聞いてトーマさんのパーティは考え込んでいた。
しばらくしたら、ナタリアさんが考えがまとまったのか口を開いて
「真の最深部に行ったて言ったけど。本来の最深部には行かなかったの?」
「行ってないは、9階でエリアボスを倒したら、魔法陣が出現して、それを使って真の最深部に行ったから」
シンシアさんの言葉を聞いた。ナタリアさんが小さな声で「という事はまだ最深部に宝があるって事かしら、だけど無かったら時間の無駄かもしれないわね」ボソリと言ったのを俺は聞き逃さなかった。
「トーマ、エジ、ニーナ、これからダンジョンにもぐるか今回は諦めるか、多数決をしましょう」
「ああ、悪いが俺は反対だな。もし最深部に宝があったとしても、先行しているパーティが宝を手に入れる確率の方が高いからな」
「オレも反対だ。時間の無駄だと思うからな」
トーマさんとエジさんは最深部に行くのは反対見たいだ。確かに俺が知ってるだけで俺達を含めて3パーティが地下9階まで攻略してたしな。2つのパーティはサキュバスにやられて、引き返してたけどね。(まぁ、そんな俺達も危なかったけどね)
「あたしは可能性を賭けて、最深部まで行きたいわ」
ニーナさんは行きたい派か、まぁ、彼女は元気が有り余ってるもんね。
という事はナタリアさんが行きたい派になったら、パーティが二つに分かれるって事かナタリアさんはどっちを選ぶんだろうか?
「ニーナ、ごめんなさい。今回はあきらめましよう」
「そうか、3人が諦めるなら仕方ないわね。まぁでも今回はドロップ品も沢山出たし、それで良しとするかな」
「トーマ達のパーティは、そんなにドロップ率が良かったのね」
シンシアさんは感心しながら言った。それにニーナさんもダンジョンを諦める事に賛成したし。これでよかったのかな。
それにしても、トーマさんのパーティはアイテムドロップが多かったんだ。
ん?ドロップ……ドロップ!?そうだ!俺、今回のダンジョン攻略で1度もアイテムドロップしなかったわ……アイテムドロップを楽しみにしてたけどな~
「なんか、すまなかったな。俺達の話し合いに付き合わせてしまってよ。それとありがとうよ。シンシアさん達のおかげで無駄足にならなくて済んだよ」
「こっちもあなた達に会えてよかったわ。あの人集りから、離れられる口実になったしね」
「そうかそいつはお互いに良かったな」
トーマさんがそう言ってガハハと大声で笑った。
そんなトーマさんにニーナさんが五月蝿そうな顔をして
「ちょっと、トーマ!いきなり大声で笑わないでよ!ビックリするでしょう。もう~、あ!そうだ!あたし気になったんだけど、真の最深部の宝ってどんなのが入ってたの?」
ニーナさんが興味深々に聞いてきた。それを聞いたナタリアさんが「ニーナ、そんな事を聞いたら失礼よ」とニーナさんを窘めてた。
「別にいいわよ。どうせギルドに行ったら報告するから、宝が何かなんてすぐにわかってしまうしね」
へぇ~知らなかった。ダンジョンの宝ってギルドに報告しなちゃいけないのか。
あっ!そうだ。せっかく宝の内容を教えるんだから、前から考えてたナユナやシンシアさんにも言ってない。俺が考えたある小さな企みを実行する事にした。




