カルセドニーダンジョン⑰
私達はライノス達の情報を頼りにダンジョン奥へ奥へと、ドンドン進んで行った。
途中休憩を取ったりもしたけど、ライノスの情報をのおかげで地下8階の大広間まであっという間に1日で来れた。
うーん、やっぱり情報って大事だねっと私はしみじみ思った。
「やっと、地下8階まで来れたね。ライノス達に感謝だね」
「ええ、そうね。ライノス達に会わなかったら、未だに迷ってるところだったわ。本当に情報が買えて良かったわ」
シンシアさんがまた不気味な笑みを浮かべながら言った。それを見たクロが
《うわぁ、シンシアが怖い顔してるよ》
《クロ~そう言うこと言っちゃダメだよ。確かにちょっと怖い顔けど、シンシアさんは普段はいい人なんだならね》
私は念を押してクロに言った。
《は~い、わかったよ》
本当にわかってるのか……たまに適当になるからなクロは。
そんな事を思ってたらナユナが
「あの~時間も遅いですから、地下9階の探索は明日にしませんか」
「そうね、ライノス達からもらった情報も地下9階の途中までだし、今日は早めに休んで、明日には本格的に攻略しましょうか」
「私もそれがいいと思います」
「それじゃあ、食事が終わったら、今日はすぐに寝て明日に備えましょうか」
「はい、それじゃあ、わたしは夕飯の支度をしますね」
「お願いするわね。私は明日の為に地図を見直すわ」
こうして私達は明日に備えるために、早めに夕飯を食べて早めに就寝した。(私はもちろん皿洗いをしたけどね!)
◆◆◆
さて、ついに地下9階を攻略するぞ!
その為には、まず朝ごはんを食べて力をつけないとね!
よ~し!沢山食べて力をつけるぞ!!
「りん君、そんなに急いで食べてどうしたの?!」
私はシンシアさんの質問に応えるために、まだ口の中に残った物を急いで飲み込んだ……うっ!急いで飲み込んだせいで食べ物が喉につまった!!
「うっ!ぐぅっ!」
「ちょっと大丈夫?!りん君!」
「りんさん、大丈夫ですか!これお水です!飲んでください!」
私はナユナが渡してくれた水を一気に飲み干した。
危なかった……まさか、食べ物を喉に詰まらせて死にかけるとは思わなかったわ。
「水ありがとう、ナユナ」
「いえいえ、りんさんが無事でよかったです」
「もう、りん君、そんなに慌てて食べなくてもご飯は無くならないわよ」
シンシアさんは呆れた顔しながら言った。
「いや~これから、最深部を攻略すると思って、ご飯を食べて力をつけなくちゃって思ったら、ついつい急いで食べちゃいました」
私は照れながら言ったら
「ご飯を食べて力をつけるのはいいけど、食事はゆっくり食べないとダメよ」
「りんさん、わたしもシンシアさんと同じ意見です」
2人が呆れた顔で言った。シンシアさんはわかるけど、ナユナまで呆れた顔で言われるとは思ってなかったので、これは反省ものだな。
《りん、オイラも同じ意見だよ》
まさかの追い打ちでクロにまで言われるとは……
そんな感じで食事も終えて地下9階に行く準備をして、ついに私達は地下9階に降りて行った。
◆◆◆
最深部に着いたけど、今までとあまり変わりがないなって事をナユナと話していたら
「二人ともちょっと静かにして」
シンシアさんが真剣な顔で私達に話しかけて来たので、できるだけ小さな声でシンシアさんに聞き返した。
『どうしたんですか?シンシアさん』
『この奥から、どこかのパーティが戦ってる音が聞こえたのよ。二人とも耳をすまして聞いてみて』
シンシアさんは音がする方に指をさしながら言った。
私はシンシアさんが指した方に耳をすまして見たら
「………お願い……やめて……」
「……お前達……ろす」
「……ダメ……1度……げて、助けを求めよう………」
確かに声が聞こえた!
だけど微かに聞こえる会話と戦ってる音からして緊迫した状態だ、早く助けに行かないとやばい感じだ。
私はシンシアさんを見るとシンシアさんも同じ事を考えていたのか
「二人とも助けに行くわよ」
私とナユナが頷くとシンシアさん満足気に微笑むと、声が聞こえた方向に走り出した。私達もシンシアさんに続いて走った。
しばらく走るとだんだんと声がする方に近づいて来ているが、その声は悲痛な叫び声に変わりだした。
「これは、不味いことになりそうね。二人とも覚悟はしておいてね」
私達は覚悟を決めて返事をした。
「「はい!」」
そして、悲痛な叫び声から悲鳴に変わった時に私達はその場所にたどり着いた。
そこで目にしたのは、剣で女の子を今にも斬ろうとしてる血塗れで顔がほとんど見えない男と恐怖で腰が抜けて座り込んでる女の子と……
そして、不自然に血塗れの男の周りに何人もの悪魔の羽みたいな物を生やした女の人達が居た……あれがライノスが言ってたサキュバスかな?
そんな事を考えていたら、男が持ってる剣を振り下ろして女の子を斬り殺そうとしている!
「全力バリア!!」
私は慌てて女の子にバリアを全力で掛けた。
私がバリアを掛けたと同時に ガキン!と大きな音がして男の剣はボキッと折れた。
危なかった……なんとかバリアが間に合ってくれたみたいだ。
シンシアさんに言われて覚悟を決めていたけど……目の前で女の子がたたっ斬られるのを見ないですんだよ。
そんなの見たら、寝覚め悪いしね。マジで……
「氷の檻よ!」
シンシアさんの声が聞こえたと思ったら、男の周りに何本もの氷の柱が立って言葉通り氷の檻が出来上がった。
氷の檻か、こんなの作れるなんてシンシアさん凄いな、でもこの中には入りたくないな……だって入ったら凍えそうだもん。
そんな事を考えてたら、男の周りに居たサキュバス達が逃げて行った。
私達は事情を聞くために女の子所に向かった。
女の子に近づいて行ったら、女の子の近くに二人の女の子が血まみれで倒れていた。
ヤバいもしかして、この二人死んでる!?と思っていたら、二人の呻き声が聞こえたのでどうやら気絶してるだけだったみたいだ……よかった。
とりあえず回復魔法を二人に掛けておいた。(男にも回復魔法を掛けて正気に戻そうと思ったけど、だけど仲間にあんな大怪我をさせたからね。反省の為にしばらく寒い氷の檻の中にでも入ってろって事で回復魔法は使わなかった)
回復魔法使ったおかげで気絶していた二人も気絶から目覚めたので、私達は三人から事情を聞くことにした。
「あなた達はレイドのパーティの人達よね?何となくだけど、こんな事になった事はわかるけど、一応聞かせて」
うん!?今レイドって言わなかったか?!もしかして、この血塗れの男はレイドなのか……あっ、よく見たらレイドだったわ。血塗れでわからなかったわ。
うん、回復魔法使わなくてよかった。しばらく寒い檻の中に入っててもらうかね。フフフ~
「はい……アタシ達はレイドがリーダーのパーティです。あなたもわかってる通り、レイドがサキュバスに魅了されて全滅しかけました……あの助けてくれてありがとうございました」
魔法使いの女の子がお礼を言うとそれに続いて他の二人もお礼を言った。
「やっぱりそうだったのね。りん君、そこでガンガン折れた剣で檻を叩いてる馬鹿にも回復魔法を掛けてあげてくれる」
「馬鹿って……」
ちょっと不服そうに三人の内の誰かが言った。
でも馬鹿って言いたくなるよね。だってレイドってさっきから折れた剣でガンガン氷の檻を叩いて、その上「サキュバスちゃん達の為にここを抜け出さないと」って言ってるんだもん。
まぁさっきから、檻を叩く音がうるさいから正気を戻してやりますかね。
「ヒール」
「さっ寒い!あれ?!僕はなんでこんな所に入れられているんだ?それにミスリルの剣が折れてる!!」
うーん……正気に戻してもうるさいわ。
「……やっぱり、うるさいわね」
シンシアさんは氷の檻を消しながらボソリと言った。やっぱり、シンシアさんもうるさいと思ったんだね。
「あれ、どうしてシンシアさんとナユナちゃんがここに居るんだい?もしかして、僕を追いかけて来てくれたのかな」
うわぁ、相変わらずの勘違い野郎だな。
「そんな訳ないでしょう!あなたのパーティがあなたのせいで全滅しかけたのよ!少しは状況を把握しなさい!あなたはパーティリーダーでしょうが!!」
シンシアさんは声を荒げて言った。
「そうか、シンシアさん、どうやら僕はサキュバスに魅了されたみたいだね。三人ともどういう事か詳しく教えてくれない?」
レイドはシンシアさんの言葉を聞いて、いつものヘラヘラした顔をやめて真剣な顔して、仲間の三人を呼んで今までの経緯を真剣に聞いていた。
ふーん、レイドでもこんな顔出来るんだね。
私達はレイド達の話を横で聞きながら、またサキュバスが来てもすぐに戦えるように備えてた。
しばらくするとレイドが三人から話を聞き終わったみたいで
「三人ともごめん、僕は君たちを傷つけてしまったみたいだね。パーティリーダーとして失格だよね」
それを聞いた三人は
「レイドあなたのせいじゃないわ」
「ええ、レイドはあたし達を守ってくれようとしてたんだから謝らないで」
「そうよ。わたしが回復魔法で魅了を治せたらこんな事にならなかったんだし気にしないで」
「君たちありがとう、君たちみたいな素敵な子達が居るんだ。次は絶対に魅了なんかされないよ」
「「「レイド!」」」
あぁ、なるほどこうやって女の子が持ち上げるから、こういう感じに勘違い野郎が出来るんだね……納得したわ。
「シンシアさん、ナユナちゃん三人を助けてくれてありがとうシンシアさんの氷の檻がなかったら、僕は三人をもっと傷つけるところだったよ。本当にありがとう」
うーん……見事に私の事は無視なんだね。ここまで来ると清々し気けどね。
「ちょっとレイド「シンシアさん!わたしに言わせてください!レイドさん!わたし達にお礼を言う前にりんさんにもお礼をちゃんと言ってください!りんさんが居なかったら、仲間の一人をあなたの手で殺してた所だったんですからね!」
滅多に怒らないナユナが声を荒げてレイドを叱りつけた……ナユナありがとう。
私はそれだけで充分だよ。
「まぁ、ハーフオーガくんもありがとう」
うわぁ、取って付けたようなお礼の言い方だなー。
「レイド!!」
私はシンシアさんの袖を掴んで引っ張りシンシアさんが私を見た時にこっそりと
『シンシアさん、もういいから形だけたけど、お礼を言われたしこれで十分ですから』
『わかったわ……りん君がそう言うなら、もう何も言わないわ。言ってもダメ見たいだし』
私達はレイドの事はこれで終わりにする事にした。
「それで、話は変わるけどあなた達はこれからどうするの?」
「うーん、そうですね。剣も折れてしまったし、1度ダンジョンを出る事にします」
「そう、じゃあ帰る時にサキュバスに会わない事を祈ってるわね。それじゃあさっさと地上に戻りなさい」
シンシアさんはレイドをあしらうように言った。
「それじゃあ、僕達は地上に向かいますね。シンシアさんにナユナちゃんまたね」
最後まで私をほとんど無視して言ったな。
なんだか、ここまで来ると本当に清々しいわ。
そんな訳で私達はレイドを見送ることもしないでダンジョンを探索する事にした。
ここの階はまだ途中までしか、わからないしね。
そんな事を考えていたら、さっきのサキュバス集団が戻ってきた。
「もう戻ってくるなんてね。二人とも戦闘準備はいいかしら」
そう言いながら、ナユナとシンシアさんは魔法を使う準備をした。
私はサキュバス集団を斬り込む為にサキュバス集団の所に走り出した。
サキュバス集団の中に入った私はサキュバスを斬ろうとした時に何だか凄くいい香りがして来て……ちょっと頭がぽわぽわしてきた……
あれなんで、私サキュバスを斬ろうと思ったんだろう……
こんなカワイイ子達なのに……ソレニナンデナユナトシンシアサンハサキュバスチャンニコウゲキヲスルンダロ……コレハナユナトシンシアサンニサキュバスチャンタチニコウゲキシナイヨウニセットクシナイト




