カルセドニーダンジョン⑪
昨日はどうでもいい事を考えながら寝ちゃったな。
さてと、昨日の朝は他のパーティが居たから顔を洗う事が出来なかったけど。
今日は、他のパーティも居ないので堂々と顔が洗えるね、水も使い放題だし。
あとこれで、お風呂に入れたら最高なんだけどな。
まぁでも、体が拭けるだけマシかな。
「あっりんさん顔洗い終わったんですね。ちょうど朝食が出来たんで椅子に座って待ってて下さい」
ナユナそう言うと出来たての朝食を運んでくれた。
なんかいつも二人に料理を作って貰ってて悪いな。
まぁその分は皿洗いをしてるからいいかな……うん!多分いいだろ。
本日の朝食メニューは、焼いたチーズを載せたパンとベーコンエッグだ。
パンの上のチーズがとろ~りと溶けて美味しそうだ、ベーコンエッグもベーコンが厚切りでとってもボリュームがあるし、早く食べたいな。
「あっ二人とも待たせて、ごめんね。ちょっと地図を見て今後の事を考えてたら遅くなちゃったわ」
シンシアさんが地図をテーブルに置いて言った。
「やっぱり、活性化する前と今のダンジョンは全然違うんですか?」
「地図を改めて見比べたけど、まったく違うわね。出来れば今日中に地下5階に降りて地下5階を攻略して行きたいんだけど、このままだと地下5階に降りる大広間まで今日中に行けるかどうかわからないわね」
「そうですか」
「とりあえず今日は大広間を目指す感じで行きましょう。という訳で今日も沢山歩いたり魔物を倒したりするから、ご飯をちゃんと食べて力をつけましょう」
「そうですね。それじゃあご飯食べましょうか」
ナユナがそう言って私達は朝食を食べ始めた。
それにしても、チーズを載せたパン、チーズがとろりと伸びて味も濃厚で美味しい。
そしてベーコンエッグのベーコンこんな分厚いアメリカンサイズ?を食べるのなんて生まれて初めてだよ。
あっ前世も含めてね。
「ごちそうさま。朝ごはん美味しかったよ。二人ともありがとう」
「いや私、朝から地図を見比べてたから、作ってないのよね、今日の朝食はナユナさん一人で作ったのよ、朝食美味しかったわ、ありがとうねナユナさん」
「いえいえ、二人ともお礼なんて、わたしそんな大した物作ってませんから、ただ焼いただけの簡単な料理ですし」
ナユナは大した事ないって言ってるけど、料理の出来ない私はそれでも凄いと思ったけどね。
うーん、ナユナは本当に謙虚だな。
「ナユナさんって本当に謙虚ね」
どうやら、シンシアさんも同じ事を思ってたみたいだ。
「それじゃあ、二人とも野宿の片付けをしたら、探索を再開しましょう」
こうして、私達は素早く野宿の片付けをしてダンジョン探索を再開した。
どうでもいい事だけど私の食器洗いのレベルが上がったような気がする。
◆◆◆
「はぁ、また分かれ道だわ」
とシンシアさんはゲンナリして言った。
「まさかこんなに彷徨う事になるとは思わなかったわ、ギルドマスターしてたせいか感が鈍ったかも……二人ともダンジョンを大回りしながら地図を埋めて行くわよ、時間がかかるけど、確実に行けるからいいかしら」
「私は構いませんよ」
「うーん……」
シンシアさんの提案を聞いてからナユナが突然考え出した。
「ナユナどうしたの?」
「あの、さっきから考えて見たんですけど、ここは黒金様のお力をお借りして見たらどうでしょうか。マラカイトの時みたいに」
「マラカイト……?」
うーん?……マラカイトの時見たいにって何かあったけな?……あっ!あの時か、鉱山で迷って、ガイ達に助けを求めた時にクロを棒倒ししたやつか……
でも、あれってクロの力じゃなくて、タダの運任せなんだけどね。
今回はシンシアさんが地図を書いてくれてるから迷ったりする事はないだろうけど……
「え!?黒金様にそんなお力もあるんですか!」
あっこれ!シンシアさんがまためんどくさい事になるパターンだ。
《りん!いつかこんな事になると思ったから、だからあの時あれはヤダって言ったんだよ。それにまたシンシアの目が怖いし》
《いや~あの時は切羽詰まってたから、ごめん、シンシアさんは……》
私はシンシアさんの方を向いてみたら、シンシアさんは
「……流石……神武……そんなお力があったなんて知らなかったわ……」
とブツブツと独り言を言ってた、これは刺激を与えたらヒートアップしそうだからしばらく放置しておこう……
私達は、しばらくシンシアさんの独り言を聞きながらシンシアさんが正常な状態に戻るのを待っていた……
「ごめんなさい。二人とも、ちょっと1人の世界に入っちゃってたわ。もう落ち着いたから大丈夫よ。だから黒金様のお力を見せてちょうだい!」
シンシアさん落ち着いたって言ってるけど、全然落ち着いてる感じしないんですけど、あとお力って言われても、ただクロを棒代わりに倒しただけなんだけどな……
《ほら!なんかどんどんめんどくさい事になってるじゃん!どうするのこれ》
《うーん、ごめんクロ!また私達を導いて》
《 えぇ────!?》
私はクロに謝って、運を天に任せて……
「黒金の神狼の剣よ、私達を導いてください」
とそれらしい事を言ってクロを倒した……
「これが!黒金様のお導きなんですね!あぁ、私はまた奇跡を見たのね!」
シンシアさんがハイテンションで言った、シンシアさんごめんなさい、これって適当にクロを倒しただけなんです。
「さぁ、二人とも!黒金様がお導きして下さった道に行くわよ!」
《……りん、これで道に迷っても、オイラの事攻めないでよね》
《あぁうん、ごめんね、クロ》
そんな訳で私達はクロが導いてくれた道に進んで行った。
それからは、分かれ道に来たらクロを倒して、クロが倒れた方に私達は進んで行った。
途中魔物が出たけど、難なく倒して行った。
うん、シンシアさんのおかげでとっても楽に倒せるわ。
何回かクロを倒して進んで行ったら……何とか大広間に着いた。
「あっ!やっと大広間に着いたわね。これも黒金様のおかげね」
まぁ、タダの棒倒しなんですけどね。
「本当ですね!」
それにしても、まさか棒倒しでここまで来れるとは思わなかったよ。
私はクロを手に取り真剣な目でクロを見て思った……
もしかして、クロって実は道に迷った時に道を示してくれる能力があるんじゃないだろうか。
《ないからね。そんな力》
《えっ!なんで私が考えてる事がわかったの?!》
《そんなの、りんがオイラを手に取ってマジマジと見てたからだよ》
《そうか》
《そうかじゃないよ!何回も何回もオイラを倒して、オイラはそこら辺に落ちてる棒じゃないんだからね》
《それは、ごめん……だけどクロのおかげで大広間に来れたしありがとうね》
私はクロに感謝の言葉を言った。
《まぁ、謝ってくれたから許すけど、それにオイラが居なかったらりん達、今も迷子だっただろうしね。ちゃんと感謝してよね》
クロは偉そうに言ってるけど、まぁクロのおかげで迷わずにここに来れたし良いとするか、そんな事を考えてると。
「それじゃあ、二人とも大広間に着いたしちょっと早いけど昼食にしましょうか、昼食が終わったら地下5階に降りましよう」
そんな訳で私達は少し早めの昼食する事になった。
相変わらず、料理はナユナとシンシアさんが作ってくれて、とっても美味しいお昼ご飯でした。
そして私は食後の日課の食器洗いをしてた、だって作って貰ってばっかじゃ悪いしね……心無しかさらに食器洗いのレベルが上がったような気がする。
まさか、食器洗いのスキルなんて習得してないよね……




