反省文だよ
今回は早いよね?
これも実話を基にしていますので。
「よく来たな、赤部屋に行くぞ。」
まじで!赤部屋って何。めっちゃ怖いんだけど。赤?赤だよな、赤と言えば血?????
「ほら、ここだ。」
そんなことなかった、内装が基本赤いから赤部屋なのか。よかった。
「どうも。」
そういって、一番手前の机の奥のほうに座った。担任は座りながら言った。
「それで、本題の前に言っておきたいことがある。」
なんだなんだ、こわいなー。
「お前は、授業中うるさいそうじゃないか。」
??そんなこと覚えにないんだが。
「社会の吉田先生が言ってたぞ、うるさい人がいる、と言ってた人の中にお前が入ってたんだ。」
嘘だろ、社会の授業態度って悪かったっけ俺。
「あの、間違いとかでは。」
すると担任は早口に言った。
「そんなわけないだろ!自覚はあるはずだろう。」
えー、自覚無いから聞いてるのに。うーむ、素直に疑問をぶつけるか。
「えっと、僕は吉田先生の授業がうるさかったという自覚はないのですが。」
すると、切れた口調で担任が言った。
「先生がそう言っているんだ、先生が嘘を言っているとでも言ってるのか。」
いや、そんなつもりで言ったんじゃないんだけどなー。
「あのー、でも僕はテストの点とか悪くないですし、提出物も出してますよ。他にもっとうるさい人がいる中で、なぜ僕がそのように言われなくてはならないのでしょうか。」
ほんとに謎なんだよな、俺は自覚がないって言ってるのに。
「まだ本題にすら入ってないんだぞ!吉田先生本人に確認してもらう。」
はぁ、ようやく担任がいなくなった。よし、吉田先生の件についてちょっと考えるか。
まず、これは何かの間違いだろう。さっきの言葉に偽りはないわけだし。しかもこれってまだ、本題じゃないんだろ?マジかよ。
うーむ。分からん。
そうしていると、うすらはげ、じゃなかった、担任が吉田先生を呼んできたようだ。
「吉田先生、安東がこの前の件について身に覚えがないそうなのですが。」
「そりゃそうじゃよ。」
吉田先生は70歳を超えてるからな。言葉も「じゃよ」を語尾にするらしい。いや、そういう問題じゃない。そりゃそうってどういう意味やねん。
「安東君は授業はまじめに受け取りますよ。」
『は?』
くそ、はもってしまった、死にたい。
「えっと、座席表はありますかな?」
「ええ、ここに。」
吉田先生は座席表を見ていった、
「この座席表逆になってますよ、先生。」
そういって、座席表を指さす。
「あっ、確かに。」
確かにじゃねーよ。俺のこの話はどーなんだよ、ドーナッツかよ。
「すまなかったな、安東。」
「いえ、大丈夫です。」
吉田先生のこういうところは信頼できる。担任に注意をしながら、こっちにも詫びを入れる。こういうことをさりげなくできるのは、この先生の美点だよね。座席表にはあらかじめ気づいててほしかったけど。
「次までに直しときます。」
「頼みましたよ。」
そういって、吉田先生は出て行った。
「この件は、こちらのミスもあったし不問にしておく」
なめてんのか。不問どころか問題になること自体がおかしいんだろうがよ。それと、そっちのミスで疑ったことを謝罪すべきだろうがよ。
「はぁ・・・」
「何をため息ついてるんだ。」
そりゃつきたくもなるよ。罵声を浴びせてないだけでもありがたく思えってレベル。
「本題は、お前のそういうところだ。この前の発言もそう、今回もそう。お前は先生という存在に対して、失礼すぎるんだよ。」
「はぁ、なるほど。」
わけわからん。
「とにかく、このことについての反省文を書いて来い。」
は?いまなんて?
「明日までに書いて来いよ。」
そう言い残して担任は行ってしまった。そして俺は一言つぶやく。
「反省してないのに反省文って、どうゆうことだよ」
次の話も実話だよ。読んでびっくりしないでね。
こんなこともあるんだよ、ほんとまいっちゃうよね。
では、次話で。