六日目・昼間・ルナ戦闘開始
「(ロッドにありがとうって言われた♪これは頑張らなければ!)」
「まったく、いくら強力な"妖術"が使えても私の力には敵わないわよ」
「どうかしらね」
私はこの時点で勝てると予想した。なんせ相手は完全に油断しているから。油断は人を弱くする。これが私が学んだ"魔法"の極意。
私は敵の人形を一掃するため、さっきよりかなり大きな爆発魔法を発動する(相手を殺さない程度に)。もちろん私自身にはプロテクトの魔法を貼る。爆音は国中に響き渡る程だった。多分、今ので軍も動き出すだろう。
「クッソ…。やってくれたわね⁉︎」
女は呪符を撒き散らし、何十体もの人形を瞬時に作り出す。その人形は女のコントロールの下、それぞれ独立した動きで私を翻弄する。しかし、この時点で私の予想は確信に変わっていた。
「そりゃ!」
「⁉︎」
流れ星の形のホーミング弾。いくつもの人形が塵に戻る。続けて回転する円状の斬撃を人形の群にぶち込む。どんどんと人形が崩れて行く。しかし女もしぶとく、何体も人形を作り出す。と言っても私の敵ではない。破壊と想像の戦い。この戦いはスピードが重要のようだ。破壊が想像のスピードを上回り、想像の元を破壊すれば全ては壊れ、戦いが終わる。想像が破壊のスピードを上回り、破壊の根源に想像という要素を取り込ませれば、この場は想像に支配され、戦いが終わる。破壊と想像という対極の戦いは互いの精神力の強さと、駆け引きが運命を左右する。いつ勝負を仕掛けるか、それが最も重要な部分である。私は女が行動を制限せざるを得ない状況に追い込むため、女の周りを爆発させる。そしてこの時…!
「もう終わりよ。あんたみたいなしぶとい女がロッドに引っ付いてなくてよかった」
「あぁ?なに言ってんのよあんた‼︎」
ありったけの魔力を使い、"錬成魔術"を施行する。魔法よりレベルの高い魔術を。土を錬成し、金属に変化させる。あの女が、土を媒体としている術を使っているのは一目で分かった。私でなくとも分かっただろう。なら、土を無くせばいいのだ。どうせこの女は土しか操れない。
「…⁉︎貴様!なぜ私が土しか操れなと分かった⁉︎」
「あんたの敗因を教えてあげる。まず、油断していた事。私の魔法を妖術だと勘違いしていた事。それと、呪符を堂々と使っていた事ね」
「…呪符?なぜ呪符なんだ?」
「もし、あんたが神下の力ってヤツを本当に使えるなら、呪符はいらないでしょう?魔法を妖術を間違えたあたり、あんたのそれはただの妖術だわ。それに、その呪符。土のエレメント素だけの力を感じたわ。金属も土の素だけど、土の素だけじゃ金属は操れないもの」
「……バレていたか」
「あっけなかったわね。残念」
「…なんてね」
「⁉︎」
女は呪符を使わず、手を合わせただけで錬成させた金属達を集めて、人形を作り出す。土人形よりよっぽど強そうだ。
「ちょっと‼︎あんた妖術使いじゃないの⁉︎」
「言ったでしょ?私は神下の力を使ってるってね。呪符はただ単に力使うのが面倒だっただけよ」
女は人形を操り、こちらへガチの突進をしかけてくる。
「マジ⁉︎…ヤバイってー‼︎」




