五日目・夜・大変だ…
「全く!ロッドさんは!そんなんじゃ色仕掛けされたらどーするんです!」
「面目ない…」
「ルナさんも!ロッドをいじるのをやめてください!」
「すいません…」
現在、我々はララの説教を食らっている。あの時ララが来てくれた時は神か天使かと思ったが、今見る限りでは鬼だったようだ。
「ロッド氏…流石にそーゆーのはマズいだろう」
「分かってるよ⁉︎でも全力で掴まれたら逃げられないじゃん‼︎」
あれが俗に言う『だいちゅきホールド』というものなのか…?こういう経験は全然ない俺には、かなりハードな出来事だった。
「だってー。ロッドが振り向いてくれないからー」
「俺の事好きなら、俺を犯罪に巻き込むな‼︎仕事できなくなったらどーすんだよ…」
「あ、一応気付いてるんだね///」
「うるせー。こっちだってそこまで鈍感じゃねぇよ!ってか、その気も無いのにここまでされても困るだろ」
「ちょっと二人とも‼︎何いい雰囲気になってるんですか‼︎もう‼︎」
「そうスネるな、ララ」
「リリアさん‼︎」
「お嬢様。嫉妬も愛情表現の一つとしては有効ですが、あまり過ぎるといけませんよ?」
「レミアまで⁉︎」
背の小さくて、くりくりしたララは、どうやらいじられキャラに確立しつつあるようだ。確かにいじめたくなる可愛さがあるような…
「ロッドさん…?」
「…ハッ‼︎」
「何考えてたんですか‼︎私は説教していると言うのに‼︎」
「まぁそんなに怒るなよ…。せっかくの可愛い顔が真っ赤に膨れたら、台無しだろ?」
「…///」
そんなつもりで言った訳ではないのだが、ララはすごく照れている。これはこれで良い気もするが…。
〜
食事を終え、リリアは自宅へ。ルナはしばらく居候している部屋。ララとレミアと俺も、それぞれの部屋に戻った。ララに痛い視線を向けられ続けていたが、レミアは全くそんな視線を向けてこなかった。もしかしたら過去にこんな出来事を、何度か目の当たりにした事があるのかもしれない。
俺は部屋に着くと一日の疲れが一気に出てきたらしく、ドッと疲れが体中に渡り、ベッドへなだれ込む。それと同時に睡魔が襲って来た。瞼が急に重くなり、ウトウトとしている。この安堵と休息の時間は、今日の俺にとって最高の褒美であった。数分もしないうちに、俺の意識は暖かな闇へ落ちる。
〜
朝。レミアがキッチンで朝ごはんを作っている。と、言ってもパンと目玉焼きとサラダだけなのだが。しかし、いつもララが作っているので違和感が抜けない。
「おはようレミア。ララは?」
「おはようございます。お嬢様はまだ起きてないと思いますけど…」
ララが寝坊とは珍しい。一昨日のダンジョンの後だって、きっちり決めた時間には起きていたし、そういう細かい所はしっかりした子なのだが。
「おはよ〜。ねぇ、大掃除でもやってんの?」
「おはようルナ。大掃除って…ウチが?」
「うん。だって、ララの部屋のドアと窓、全開だったから」
「ぜ、全開…?」
「そう。全開。……ララは?」
ララとルナの部屋は二階にあるため、俺とレミアはララの部屋の様子は分からなかったが、ララに何かあったのは確かのようだ。
「…ララを探そう。話はそれからだ」




