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不思議な子

村は春を迎えていたが、風には未だ冬の名残があった。小さな石積みの家々の隙間をすり抜ける風は、どこか冷たく、そして重かった。



詩音は自分のノートから一篇一篇、選びながらフィエナに朗読を続けていた。

詩音はフィエナと一緒に森に薬草を取りにいっていた。

ちょっとつかれた詩音は座って持ってきたノート広げていた。

フィエナは少し離れたところで薬草を探していた。

ふと気がつくといつの間にか目の前に女の子が立っていた。

不思議な空気をまとった子だった。

詩音は驚いたが、すぐに笑顔をその子に送った。

女の子は詩音のノートを指差していた。


「これ?これはねお姉さんの大事なもの

大好きな言葉や文章が書いてあるの」


女の子はちょこんと詩音の隣に座って詩音の顔を見あげていた。


「読めばいいの?」


なんだかわからないけど詩音は声に出して読んでみた。

隣の女の子の顔をみると笑顔だった。


楽しいんだなぁ…


そう思ってくれるだけでも詩音にはよかった。

フィエナが薬草を取り終わって戻ってきた。

ふと隣をみると女の子の姿は消えていた。


あれ?


「フィエナ、ここに女の子いなかった?」


「女の子?誰もいないよ。気持ちよくて居眠りでもしたんじゃないの(笑)」


たしかにいたのに…


その夜詩音は夢をみた。


あの女の子が詩音にノートの言葉を読んでほしいというから読んであげた。

女の子は喜んでいた。

詩音も一生懸命読んであげた。

女の子はなぜかもっと読んでと言ってくる

だから何回も何回も読んだあげた。

すると自分の声をだしてるはずなのに自分の声じゃないような感じがだんだんしてきた。

声が勝手に出てる。それが辺りを漂っている。

それがだんだん集まってきてなにか1つの大きな固まりになったと思ったら

一瞬で消えた…

そんな不思議な夢だった…


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