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黒騎士に襲われるシオン

シオンの旅はだんだん過酷さをましていた。野宿が多くなっていた。

簡単に街や村に寄るのは危険になっていた。

牢に入れられることもあるからだ。

街道で朗読することもあった。

親切な人が街や村の情報を教えてくれたりもした。

「大丈夫か?」

アルヴェンの言葉に、シオンは静かに頷いた。


シオンは小さく微笑むが、その瞳は疲れていた。連日の朗読、ノイズとの対峙、そして何よりも人々の中に巣くう不信や恐怖に触れることは、彼女の心を削っていた。


だが旅を止めることはできない。それは彼女自身が決めたことだった。


「……次の場所でも、誰かに言葉を届けられるといいな」


彼女の指は胸元の雑記帳をぎゅっと握っていた。


その夜、二人は小さな村の外れの林にテントを張った。焚き火の火が小さく揺れている。



瞬間、アルヴェンの表情が硬くなった。彼は周囲の闇に視線を走らせた。


「気をつけろ!」


その言葉と同時に、黒い影が闇から襲いかかってきた。


シオンが振り向いた時、黒い手が彼女の腕を掴んだ。次の瞬間、世界が反転するような感覚に包まれ、彼女の意識は闇に落ちた。


アルヴェンは剣を抜き、応戦するも数で押され、倒れ伏す。


「シオン!」


そう叫ぶアルヴェンの声がかすかにシオンには聞こえた。


そして、静寂が残された。


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