学園生活が始まります。学園生じゃ無いけど
デージーにはいろんな色があります。
一方、入学式では些細な問題が起こっていた。
『あれはなんなんだ?』
小声でマロウが呟くと、エリンジウムはさり気なくマロウが見ている方に目を向け唖然とした。
入場を待つ新入生達がソワソワしながら1人の女子生徒をチラチラ見ている。
ピンクの髪にピンクのデージーを挿し、満足げな顔をしている女子生徒。
何故か目が合ってしまったので、軽く微笑んで嫌悪感を誤魔化した。
入学式を社交場と間違えているのか、呆れてものが言えない。
『放っておこう』
エリンジウムがこっそり囁き、会場へ入って行った。
「みんな、アタシの可愛さにメロメロね。さっき、エリン様と目があったから、今回もフラグはばっちりね」
ピンクの髪の女子生徒がにまぁ、と笑いながら会場へ向かった。
貴族が通う学園とは言え、本来の目的である学業習得のための授業もあるし、試験もある。
「師匠、暇なんですが」
試験前の為やる事がなくて手持ち無沙汰のアリッサが全学年の試験用紙を片付けながら恨めしげにファルシオンを睨む。
「暇ならその試験、やってたらどうだ?」
職員室で昼寝をしそうなファルシオンの言葉に他の教師達がギョッとしながら2人を見た。
「勝手にやったら怒られます」
アリッサの言葉に教師達は頷いたが、魔力も強く、騎士並みに剣が使える彼女の学力や教養は?と若干疑問に思っているのも確かだ。
「構わないだろ?」
一応、ファルシオンが尋ねる様、教師達に目を向けた。
当然断られると思っていたアリッサに教師達は解答用紙を渡し、頷いた。
よし、今日も無事更新出来た。