56/60
閑話 アリッサの奮闘記 3
アリッサ無双。書いてて楽しい。
「なるほど。だから魔法省の研究員が泣きながら改良に励んでいたのか」
エリンジウムがクスッと笑う。
「報奨金まで貰った物が一瞬で壊れましたから、必死ですよ」
「その研究員は悪事に加担していなかった様ですから研究は継続してます」
笑ってしまいそうなほど気の抜けた会話で、泣きながら改良している研究員に同情してしまった。
「話が逸れましたが、お陰で伯爵家に入れました」
話を戻すクレストが、真面目な顔で続きを口にした。
「クレスト兄様の許可がない人は通れなくしました」
ガラスの様な防御壁を潜りながらアリッサは、スタスタと伯爵の邸宅を見る。
「さて、この後はどうする?」
姉のエリカの問いに、アリッサではなくクレストが渋い顔をした。
「不正の証拠を見付けたいが……」
「真実の目、試して良いですか?」
妙なことを言うアリッサをクレスト達が驚いて振り向くと
「クレスト殿に聞け」
と、ファルシオンが苦笑した。
「クレスト兄様、真実の目と言う魔法、試していただけますか?」
「真実の目?聞いたことがない」
「兄様の眼鏡に不正を見付けやすくする魔法を……」
「直ぐに掛けてくれ」
アリッサが言い終わる前にクレストがずいっと顔を近づけた。
なんだろう。閑話なのに長くなりそう。




