閑話 アリッサの奮闘記 2
やばい。閑話のつもりなのに、こっちも書いてて楽しい。
「やたら強固な防御壁、ですか?」
カーバンクルの密猟者を捕掴した後、アリッサはファルシオンと共に密猟者の上前を撥ねていた伯爵家に来ていた。
「魔法省お墨付きの面倒な奴だ」
クレストが苦虫を噛み潰したよう顔で防御壁を睨んでいる。
「強固、ですか?師匠」
「強固だが、やり方はある」
ファルシオンが何かをアリッサに話すとアリッサはこくん、と頷き魔法使いの杖を取り出した。
「では、魔法省の方にお伝え下さい。強固な防御壁を作りたいなら、継ぎ目のない物に、と」
えっ?と周りの者達が驚き、アリッサの背中を見ると同時に行く手を阻んでいた防御壁がガラガラと崩れて行く。
「漆喰で固めていないレンガの壁と同じです」
いや、それでも……、と皆の顔が言ってるがファルシオンはうんうんと頷いている。
「壁を崩したら馬鹿が逃げるからアリッサ、君の魔力で今度こそ強固な防御壁を張っておきなさい」
「はい」
良い子のお返事ですね、なんて周りがほっこりしたのも束の間、アリッサが作った壁はガラスの様な継ぎ目の無い、美しくて強固な壁だ。
「これは助かる。馬鹿が逃げ出せない」
クレストの言葉に周りは、少しは驚け、と心の中で喚いているが、誰も表には見せなかった。
会話と思い出が行き来するので、読み辛かったらごめんなさい。




