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世界は変わらず美しいです。

本編完結しました。

女性陣が久しぶりの交流を持っている頃、ファルシオン達も久しぶりの再会を果たしていた。


馴染みの店のドアベルがカランコロンと鳴り、ファルシオンが入って来た。


「おう、久しぶり」


サンキライが片手を上げ、ファルシオンに声を掛けた。


「久しぶりだな」


半年ぶりに王都に戻ってきたとは思えないほど、2人の会話はいつも通りだった。


「依頼は終わったのか?」


ガウラも相変わらずの愛想無しで、ファルシオンは店主にコーヒーを目で頼み、2人が座る席についた。


「粗方は終わった」


ファルシオンが防音魔法を掛け、ゆっくりと2人を見る。


「で、かなり酷かったのか?」

「崩壊が始まる一歩手前の場所も幾つかあった」


ファルシオンの言葉にガウラの顔が蒼くなる。

それも当然だろう。何事も無いように見え、この世界が崩壊し掛けていたのだから。


「アリッサがほぼ修復したから、問題は無いが、な」


何かを言いかけてファルシオンがフッと冷たい笑みを浮かべた。


「アリッサの魔力はやはり桁違いか」

「当然だ。7回も鍛錬をしてきた者が平凡な訳ない」

「そうだな。得難い人材だ」


サンキライ達はファルシオンの冷たい笑みには触れず、アリッサの能力を褒めた。


「と、言う事で俺達はやっと平凡な新婚生活ができるって事だ」

「平凡ね。まっ、ギルドの依頼は山になってるがね」


ギルドの幹部になったサンキライがニヤニヤ笑う。


「魔法省も手ぐすね引いて待ってるぞ」


魔法使いの塔に所属するようになったガウラが呆れ顔でサンキライを見た。


「俺に休暇はないのかよ」


ファルシオンの不平に、サンキライとガウラがケラケラ笑う。


「ねーな」

「万年人不足に文句言え」

「ったく。まぁ崩壊の元凶も無くなった事だし、気長に受けるよ」


ファルシオンの呟きにガウラは一瞬目を見開いたが、すぐにカップに視線を落とした。


「アリッサか?」

「ああ、余りの身勝手さに、お前なんか好きな所に行け、ってね」

「何処にも行けないだろうに」

「同情するのか?」

「まさか。もう、俺達には関係の無い話だ」


サンキライも頷き、3人は賑やかな祭りの様子を見ながら別の話題に花を咲かせ、のんびりとした時間を過ごした。




「ねぇ此処、何処?どうやったら出られるの」


誰かが、何処でも無い場所で泣きながら歩いているが、もう誰も思い出しもしない。


ただ、何処でも無い場所に、ジャラジャラと鎖がぶつかる音だけが響いていた。



fin

アリッサの活躍を書いてみたいですので、完全完結はもう少しお待ち下さい。

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