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誰だコイツは、と皆さん思ってます。

アホが1人現れました。

「アリッサ・リスリム」


会場の手前で、突然アリッサを呼ぶ男の声にミモザ達と一緒に居るアリッサが足を止め、振り返った。


茶色の髪に同色の目をした、見覚えの無い男にミモザ達は首を傾げたが、アリッサは一瞬、眉を顰めた。


「何方?」

「ハモンド・ホーア子爵令息です」


ミモザの問い掛けにアリッサが答える前にエニシダが男の名前を口にした。


「ホーア子爵令息?」


高位貴族をほぼ覚えているミモザだが、全く知らない人間だ。


「ファルシオン先生から警戒する様言われていた生徒です」


エニシダの厳しい目がホーア子爵令息を射抜く様にみている。


ホーア子爵令息がズカズカとアリッサ達の方に歩み寄り、アリッサの腕を掴もうとした。


が、エニシダとアリッサがあっという間にホーア子爵令息の腕を逆に掴むと、後ろ手に抑え込み膝裏を蹴り、跪かせた。


「貴様、俺を誰だと思ってる」

「ホーア子爵令息ですよね。まだ懲りずにアリッサさんの周りを彷徨いているのですか?」


気が弱かったエニシダとは思えない厳しい声に周りの者達が唖然とする。


「煩い。コイツは俺の婚約者だ。俺が何しようと、お前には関係ない」


ホーア子爵令息が叫ぶが、エニシダは手を緩める事はせず、チラッと人混みの方に目を向けた。


「夢を見るのは勝手だが、現実では無い。お前との婚約話はアリッサが15歳の時、アリッサの両親がきっちり断ったはずだ」


エニシダの視線の先にはファルシオンとエリンジウム達がおり、呆れた顔でホーア子爵令息を見ていた。


「嘘だ。父上はちゃんと婚約を纏めた、と言ってた」

「アリッサ嬢と君の婚約は認められてないどころか、リスリム家から侮辱行為で訴えられているが?」


マロウが無表情で質問をする。


「煩い。父上や母上は相手から歓待された、と……」


恐怖の冷や汗なのか、痛みの脂汗なのか滝の様な汗がダラダラと流れている。


「両親から聞きましたが、政略結婚のメリットもないホーア子爵家との縁組はありえないそうです」


アリッサも呆れながら、淡々と説明をする。

感想頂けて、嬉しかったです。

ありがとうございます。

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