教師になります。一応、師匠が
どうにか毎日更新出来てますが。
「師匠、これ、本当に受けるんですか?」
17歳になったアリッサが、目の前に置かれた依頼書をしげしげと見ながらファルシオンに尋ねると
「ループの元凶はどうやら学園にある様なんで潰しに行く」
前の時はあれほど怠惰で、手元の物さえ自分で取らなかったファルシオンのセリフにアリッサは目を見開いて驚いた。
「師匠がやる気を出すなんて。明日は槍が降って来ますね」
「アリッサ、お前は俺の弟子だろ。当然、お前も行くんだよ」
「えー。嫌です」
「拒否権はない。来月から学園で仕事になるから、準備しとけよ」
「師匠の横暴さは前回だけで結構です」
言い合いをしながらも、2人は楽しげに残りの仕事に向かった。
「へぇ、学園で教師……。アリッサ、頑張れよ」
冒険者ギルドで来月から学園で教師として働くから依頼は受けられない、と受付の者に話をしているとアリッサ達と顔見知りのサンキライがアリッサの頭をグリグリ撫でる。
濃い茶色の髪に紺色の瞳をした、野生的な彼は冒険者ギルドの実力者だ。
「私では無く、師匠がです」
「ファルシオンが真面目に教師をするとは思えないね」
ケラケラ笑うサンキライの言い分に反論が出ない。
前のファルシオンはとっても怠惰だったが、今のファルシオンは、ある意味教師に向く人間では無い。
ため息を吐きながらまだ笑っているサンキライを見た。
4つ上のサンキライとの付き合いも長く、12歳で魔法使いの塔に所属すると同時にギルドで冒険者登録した頃からの付き合いだ。
4回目と5回目では顔見知りだったし、何度も同じ依頼で仕事もした事がある為、ある程度性格は知っていたが、今回も豪胆だが仲間思いの気持ちの良い青年だ。
「俺も騎士科で、魔獣討伐訓練の為に何回か学園に行くからな」
これだけの美貌に実力者のサンキライなら学園の女子生徒にモテるだろう、とぼんやり考えていたが、妙な違和感を感じて繁々とサンキライの顔を見た。
頑張れ私。やれば出来る子だ。多分。