もうじき特定出来ます。
表面上は平穏で、とは知ってる者は怖い。
学園は表面上は平穏で、もうじき夏の休みになる。
学生達は試験勉強に追われていても長い休みの予定とサマーパーティの事を楽しげに話していた。
ただ1人、困惑している者を除いて。
「私は学生では無いので……」
「何を仰るの?学生と同じでしょ」
「そうです。参加は必須です」
アリッサが目の前に置かれているドレスを見ながら断ろうとしているが、ミモザをはじめランタナ達が夏休み前の、サマーパーティに出席しろ、と迫ってきた。
ファルシオンが用意したアメジストの様な紫のグラデーションが綺麗なドレスはきっと銀髪のアリッサに似合うだろう。
「魔道具の方はどうでした?」
強気のミモザ達にオロオロしながら対応しているアリッサを横目に、エリンジウムがファルシオンに顔を向けると、ファルシオンはにやり、と笑った。
「解析はかなり進んだ」
「では、特定出来たのですか?」
事の進みが早い為、エリンジウムは驚きを隠せない。
「サマーパーティで特定する」
「では、目星はついた様ですね」
「何人か怪しいのが居るが、ほぼ間違いない」
ファルシオンはやっと顔と名前が分かった元凶に制裁を加えられる事が嬉しくて仕方ない様だ。
「アレですか?」
「ああ、ほぼな」
エリンジウムも、何処かホッとした顔をする。
「いったいあの行動の何処に意味があるのか、理解できませんが」
エリンジウムだけで無く、マロウやモルセラ達にも接触するアレの行動は理解不能なことばかりだった。
突然現れて目の前で転んだり、破かれた教科書を持って泣いていたり、びしょ濡れになっていたり、階段から転げ落ちても来た。
それが誰かからの嫌がらせなら気の毒に思っただろうが、エリンジウムが用意した影からの報告で、全て自作自演だと知っている彼らは同情などしない。
むしろ、虚言で犯人にされたミモザ達へ同情し、恋心がどんどん加速している。
次は恋愛について書けるかも。




