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金魚鉢の金魚だって頑張ってます。

金魚鉢の金魚だって頑張って泳いでます。

「で、どうして俺まで」


白い髪 金色の瞳の魔法使いのガウラが不機嫌な顔をしてアリッサを見ている。

ガウラは魔法学の教師の1人で、回復魔法のスペシャリストだ。


「何かあった時、回復魔法は必須ですから」

「そんなもん、俺じゃなくてファルシオン1人でどうにでもなるだろ」


魔法使いの塔に所属していないガウラは何故か魔法使いの塔の人間に敵愾心を持っていた様で、態度は最悪だが腕は確かだ。


「師匠1人でどうにかなる、って本気で思ってます?あの師匠ですよ」


アリッサの言葉に、苛立っていたガウラも黙ってしまう。

ガウラにしてみれば、魔法使いの塔に所属している魔法使い達は皆、金魚鉢の中の金魚だと思っていた。


苦労もせず安全な場所で魔法だけを極めればいい、と思っていると思っていた。

ところがファルシオンとアリッサと知り合った事で自分の考えが甘かった事を思い知らされた。


ファルシオンは大魔法使いとして、魔法使いの塔の魔法使い達にかなり厳しい事を要求していた。

自分の魔力を高めることは当然だが、国にも貢献しろ、と地方の土壌改良や治水工事にさえ魔法使い達を派遣していた。

しかも学力の向上まで当然だと言う。

官僚よりハードな生活の中走り回っている魔法使い達を見てガウラは呆然とした記憶を思い出した。


「甘くないですよ、師匠は。でも、魔法使いも鍛えれば騎士にも官僚にもなれる、と分かってから皆さん努力家になりました」


ニコニコ笑うアリッサにガウラは軽く頭を下げた。


「悪かった。しかしあれは、凄かった」

「あはは。ちょっと前までは皆さんの考え、温かったですからね」


アリッサ達が話をしている頃、エリンジウムとモルセラがドラゴンの絵を描くミモザに話しかけていた。


「ノースマルド公爵令嬢、何故それ程ドラゴンに固執するんだ?」


エリンジウムが話しかけてきたことに驚き、ミモザはポカンとしていたが、不意に悲しげな顔をした。


「子供の頃、ドラゴンを見たと言うのは正確では無いのです。わたくし、子供の頃両親と共に魔獣に襲われ、死を覚悟した時ドラゴンに命を救われたのです」


ミモザから衝撃的な事を聞かされ、エリンジウム達は言葉を失った。


ギリセーフ。

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