サラの思い出
投稿遅れてしまってすみませんでした…。
サラは思い出す。なぜ、こんな風になってしまったのかを…
私は先生になることが小さい時からの夢だった。そしてその夢は叶った。
しかしそこからは地獄の日々だった。
最初に担当したクラスに伯爵級の子供がいた。その子供はいじめっ子で私は何度も注意した。それが気に食わなかったいじめっ子は父親が伯爵級という地位を利用して私を学校で嫌がらせをするようになった。
私が反抗することなど許されない。私の親は平民なのに対して相手は伯爵級。私だけではなく、私以外の人にも迷惑がかかるかもしれない。私の友達もだんだんと離れていった。
学校をやめると言っても学校側が許してくれない。
追い詰められた私は学校で働くしかなかった。生徒たちと笑って過ごすのが理想の人生だったのに…。
だから、ホレスやアリスが私のことを心配してくれたのはとてもうれしかった。
だけど頼るわけにはいかない。頼ったら迷惑がかかるから。
私が我慢すればいい。
「よし、頑張るぞ!」
「サラ先生、いつまであんな調子でいるのかな?」
「もう壊れるだろ」
そんな声が聞こえても気づかないふりをする。
まだ、大丈夫。
*
「サラ先生、日に日に弱っていってない?」
「明日の授業当たりに嫌がらせにくる」
「ん?何の話?」
「サラ先生に嫌がらせしてるやつらだ」
「来たらコテンパンにしてやろう!」
「いや、黙って見ていよう」
「なんでよ。そんなのサラ先生がかわいそうじゃない!」
「もうちょっとよく考えろ」
(大人ぶっちゃって…。考えてもそんなのわかんないわよ)
「じゃあな」
「また明日」
アリスがいなくなった時、アデルがホレスの前に現れた。
「なんでサラ先生を助けないんですか?」
「アデルも分からないのか。サラ先生は元々は強い人だ。何故かは知らないけどどうせ階級の高い貴族に嫌がらせを受けているんだろう。その嫌がらせが俺達にまで及ばないように頼らないんだろう。そんな先生の前でその貴族のことをコテンパンにしたらどうなる?」
「今まで庇ってきたのに全部水の泡。生徒に守られただなんてプライドもズタボロですね」
「そうだ」
「じゃあどうするんですか?」
「明日のお楽しみ」
(どうせなら教えてくれてもいいのに)
次の日、本当に嫌がらせに貴族たちがやってきた。
「サラ先生いる?」
授業中にノックもなしに教室へ入ってくるやつらがいた。
「ホレス、来たよ」
「そのようだな」
「なになに授業中だった?」
「ランヘル君!今は授業中ですからどうか…」
「なんだよ、つれないなぁ」
「もう、いい加減にするんだぞ!我慢できない!」
「おい、なんだよ!喧嘩売る気か?」
「そんな下品なことしないぞ!」
サラはそう言って教室を出ていった。
「チッ、なんだよあいつ。まあいいや。ねえそんなことよりみんな、俺のこと知ってるよね?」
「ランヘル一族でしょ?伯爵級で…」
「ピンポーン!君、名前は?」
「アリスです」
「アリスちゃん、よろしくね」
「え…」
「ちょいちょい!手、俺が差し出してるんだから早く握りなよ」
「でも…」
「おい、目障りだ。消えろ」
(ホレス!)
「なんだって?俺は今アリスちゃんと話してるんだけど」
「知るか。ていうかお前誰だよ。ランヘル?耳にしたことは一度もないな」
「な…」
「俺はサラ先生を追う。みんな好きなようにすれば?クソ貴族にへりくだってもいいことなんて一つもない。へりくだった瞬間そいつもクソだ」
そう言ってホレスは教室を出た。
「かっこよすぎだろ、それは…」
ランヘルがぼそりと呟いた。
*
「サラ先生!」
ホレスはサラを見つけたがその状況に少し驚いた。
「ホレス、君…。私のすること、見逃してほしいぞ…」
「先生駄目だ。自殺だけはするな」
「先生失格だぞ…。本当に…」