ほっといてくれ
次の日
「みんな、おはよう!」
きれいになった教室でサラが挨拶をする。
ホレスとアリス以外誰も返事を返さなかった。
「えーと、改めて、勇者学校へようこそだぞ。勇者学校ではいろんな行事があって…」
「せんせぇ100字以内でまとめて言ってください。僕時間ないんで」
「おいお前はそんなに集中力がないのか?それとも100字以内にまとめないと理解が出来ないか。少し黙ってくれないか?俺が後で100字以内にまとめて教えてやるから」
ホレスが言い返す。
「ふざけんなよ。そんなに俺に喧嘩売りたいなら買ってやるよ。後で闘技場に来い」
「自分の実力を確かめてからそういう戯言は言え」
ガタリと席から男子が立ち上がった。
「喧嘩する前に名前を聞く。名乗れ」
「なんでそんな上からなんだ?お前から名乗れよ」
「チッ。まあ今のうちに威張っておけ。三分後には俺に土下座してるさ」
「で、名前は?」
「アレックス=マキーブニーだ。文句あるか」
「そうか。なら早急に勝負を終わらせるとしよう」
一触即発の空気になったときサラが動いた。
アレックスとホレスの間に入って喧嘩をとめたのだった。
「ストップだぞ!喧嘩は絶対ダメだぞ。ホレス君、後で来なさい!」
「え、俺?」
アレックスがいい気味だとホレスを見てニンマリとする。
*
はレスは授業が終わった後サラに呼び出されて職員室に行った。
「なんてことするんだ。私のためとか思ってやっているんなら今すぐやめるんだぞ。先生にとって一番悲しいのは生徒たちがバラバラになることだぞ」
「俺が何もしなくてもクラスはバラバラだろう?」
「それは…」
「先生、本当に大丈夫か?随分弱ってるようにみえるぞ。このままだと生徒に馬鹿にされたままだ」
「だから、なんなんだ!私はもう大丈夫なんだぞ。ホレス君は分かってないんだぞ」
ホレスは小さくため息をついた。
(人間と言うのは馬鹿だな)
「分かりました。もうなにも言いません」
ホレスは職員室を静かにでた。
その背中を見てサラは思う。
(私なんかよりよっぽどホレス君のほうが強いんだろうな…)