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喧嘩

「いいパンチだが龍の俺には通じんよ」


ホレスの渾身のパンチを平然とした顔でうけとめる。


「ならこれはどうだ?」


手に魔力を込めてもう一度パンチ。

今度は受け止めずに避けた。

ホレスがパンチを放つたびに余波で壁が壊れていく。


「ホレス様、もういいですから!」


「勝負はまだついてないぞ?」


「そういうことじゃなくて・・・」


ミハエラはチラリとエルシィを見る。


「あなたたち、喧嘩は外でやってくれない?せっかく作った家が壊れるじゃないの・・・ぶち殺すぞ」


凄まじい殺気にホレスとビルは大人しくなる。


「エルシィ違うんだ。これは、ホレスが喧嘩を打ってきて・・・」


「ちょ、ビル!人のせいにするな!」


「ガキは黙ってろ」


「そんなだから娘に嫌われるんだ」


「このガキ・・・」


「喧嘩なら買うぞ」


一触即発の雰囲気になったところでエルシィが仲裁に入る。


「こらこら、・・・喧嘩なら外でやれっていてんだろ」


頭を掴まれ、耳元ですごまれた二人は戦う気力を一瞬で奪われた。


「さて、本題にもどりましょう!」


明るく言い放つエルシィ。家が半壊の状態で話し合いは再開された。


「まず、息子が殺された。これはいいわね?証拠はホレスが持ってきた鱗」


「認めたくないが事実だな」


「・・・」

ミハエラは下をうつむき何も反応しなかった。が、涙目で顔をあげて急に話し始める。


「私はっ、兄さまを探そうと思って人間たちの世界に行ったの。父様や母様に引き留められても・・・」


「何でそんなことをした?」


「兄はこんな薄暗い地下の世界で暮らしてる私たちのために地上にでた。私たちが地上で暮らせるように、人間と話し合うって、そう言って・・・」


 「俺たちはそんなこと頼んでないだろう?あいつが勝手にしただけだ」


 ビルはミハエラを諭すようにしていった。


 「そんな言い方ないじゃん!父さんはいつも頑固で・・・。馬鹿みたい!」


 ミハエラはそう言って走って家を出てしまった。


 「おい、ミハエラ!」


ビルが呼び止めるが、ミハエラは振り向きもしなかった。


 「いつだって、あいつのためを思ってやってるのに・・・なんでこう上手くいかないんだ」


ホレスはそうぼやいているビルを横目にミハエラを追いかけた。

ミハエラは湖のそばで泣きながら座っていた。


 「ホレス様・・・。何でここが分かるんです。ここは、兄と私だけの秘密基地なのに」


 「そりゃあ、お前は俺の使い魔だからな」


 「そうですね。そうでしたね。ホレス様はいつも私を助けてくれる。それなのに私は迷惑ばかりかけて・・・」


 「確かにそうだな」


 「否定してくださいよ。でも、なんだか元気出てきました。よければ、話、聞いてくれませんか」


 「お前は俺の使い魔だ。好きにしろ」


 「それどっちなんですか・・・。でも、ありがとう」


 そしてミハエラは話し始めた。


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