路地裏での出来事
「なあ、【パラスト】のその下っ端に会えないか?どんな呪いか見てみたい」
「分かりました」
「お休み。明日、会えるように段取りをつけといてくれ」
「お休みなさい」
ホレスは深く眠りについた。
*
「起きてください!段取りはつけたので早く起きてください」
「俺は眠いのだぁ~!」
「知らないですよ!」
朝になると恒例のホレスの寝ぼけが始まる。
そして・・・
「うるさ~い!!!」
ソフィアの一喝。
その声に飛び起きたホレス。
そのあとはスムーズに進みホレスは【パラスト】の下っ端との集合場所に着いた。
「なんで集合場所が路地裏なんだ?」
「相手が路地裏でなければ会えないと・・・」
「なんだよそれ。怪しすぎるだろ。しかも約束した時間すぎてるじゃないか。本当に信用できないな」
「しょうがないじゃないですかぁ」
ミハエラが嘆く。
「あ、来ました・・・ってあれ?なんか私しくじりました?」
一人で来るかと思っていたらいかつい男が十人ほどで来たのだ。
「これは話し合いとかそういう空気じゃないな」
「よお坊主!痛い思いしたくなかったら大人しく縄につきな!」
「いかにも3流って感じだな。おっと失礼。いかにも、はいらないな」
「ああん?」
「見た目が強そうな男を集めても無意味なのにな」
ホレスは男たちの憤りを鼻で笑った。
「てめぇ!ぜってえ後悔させてやる!今日の俺たちは一味違うんだ!」
「ほう」
「お前ら、かかれ!」
男たちがホレスに一斉に襲い掛かる。
(想像よりずっと強い!)
ホレスは驚きながら冷静に攻撃をさばく。
「どうだ、俺たちの強さは!」
「まあ、想像以上と言ってもクズがゴミになったようなもんだがな」
「なんだとぉ!」
「おい、いい加減気づけ。お前以外に動けている仲間はいるか?」
「な・・・」
男は初めて気づく。自分以外全員が冷たい地面に倒れているのを。
そして男は改めてホレスを見た。
(こいつは、ヤバい!)
ホレスの目にこもった殺気に男は怖気づいた。
「敵に怖気づいた時点で負けなんだよ」
気づけば男は倒れていた。
(う、動けねえ。意識はあるのに・・・)
「ホレス様、腕上がりましたか?」
ミハエラがうれしそうに聞く。
「まあな。俺が今読んでる本に『人間には意識を保てているのに動けなくなるツボがある』っていう文章があって、それをこいつらで試してみたんだ。ミハエラ、今からちょっとグロいことをする」
ミハエラは顔を輝かせて聞く?
「何をするのでしょう?」
「分かっていて聞いているだろう?脳みそをいじくりまわすだけだ」
「キャー!」
ミハエラの嬉しそうな悲鳴と男たちの絶望的な悲鳴が路地裏に響いた。