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忘却魔法
「とりあえず俺は学校に戻ります」
「学校側には適当に説明しといてほしいわ」
「分かりました」
(全く。頼もしくなったわね)
ホレスは転移して学校に戻った。
*
「ホレス!アデルは?」
ホレスは心配そうに見てくるアリスの肩を叩いた。
「この事件のことは忘れてくれ」
ホレスはアリスに忘却魔法をかけた。
(ごめん、アリス。あと3人に忘却魔法をかけるのか)
ホレスは発見者、マールデン、ロベルトの順に忘却魔法をかけていく。
「終わった」
「何が?」
「秘密」
「え~」
「さあ、部室に戻るか」
ホレスはソフィアとアデル以外にこの事件を知っている人の事件についての記憶は消したと思い込んでいた。
だが、違った。一人だけこの事件を覚えている人物がいたのだ。
「ホレスらしくないね」
ロベルトがポロリとこぼした。しかしこの言葉がホレスに届くことはなかった。