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42,悲報、ホウジョウ四天王ができる。

 


 先ほどまでアジェンダが潜んでいた場所まで行くと、〈大地叩き(アース・ヒット)〉が隠されていた。

 つまり《隠蔽ハイディング》をかけられていたのだが、おれの眼が自動で《隠蔽ハイディング》を解除したらしい。われながら便利だなぁ。


〔イチゴ。〈大地叩き(アース・ヒット)〉起動まであと何分だ?〕


〔54分でーす〕


〔どうせなら残り1秒とかまで待つか〕


 だがそのためには、こんなところで54分近く待機しなきゃならない。メンドーなので止めた。


〔壊すか〕


〔壊さなくても解除ボタンを押せば済む話ですよ。そのあとはアイテムとして収納できます〕


〔なるほど。さすがに大地震を起こす兵器など使わんだろうが。ただコレクション欲は出てくるよな。【埋もれた兵器(ロスト・ウェポン)】全3種類ゲットしたくなるねぇ〕


 解除ボタンを叩くと、目覚めようとしていた〈大地叩き(アース・ヒット)〉が再度長い眠りについた。

 さっそく《収納ストレージ》を発動。

 ついでにアーダは《収納ストレージ》から取り出す。


 ようやく意識を取り戻していた。


「師匠、ここは一体──そうだ、師匠。卑怯すぎる強敵の出現だ。『言葉にしたことが現実になる敵』で、さすがの師匠も苦戦を──」


「ああ、そこに転がってるぞ」


 アジェンダの残骸を指さす。


「……なんと。さすが師匠だ。ついに師匠も手こずる敵が現れたかと思ったのに──ところで師匠。奴はドロシーの【三騎士】を名乗っていた」


「ああ名乗ってたな。【三魑魅族】と被ってるけど」


 するとイチゴが抗議してくる。


〔かぶってません! 【三魑魅族】さんを、あんな俗っぽい連中と一緒にしないでくださいっ!〕


 そういうやコイツ、痴漢コールしまくっていたよな。ぶん殴りたい。

 一方、アーダが謎のテンションで言ってくる。


「師匠。是非とも私も名乗らせてほしい。師匠の愛弟子として、【三騎士】的なものを。すなわち──ホウジョウ四天王の一角を!」


「却下」


「師匠、そこを何とか! 『奴はホウジョウ四天王の中でも最強だ』と言われたいのだ!」


「知るか。却下は却下だ。だいたい四天王は4人いなきゃ無理だろ」


「安心してくれ、師匠。ソフィア、女王蜘蛛クイーン・スパイダー、汐里を入れればいい。そして誰もが汐里に対して言うだろう。『奴はホウジョウ四天王の中でも最弱だ』と」


「いやどう考えても却下だろ」


〔そうですよねタケト様。汐里さんはテイマーなのですから、女王蜘蛛クイーン・スパイダーは汐里さんの戦闘力になりますよ。よって四天王は、アーダさん、ソフィアさん、汐里さんです。むむむ、1人足りませんっ!〕


〔お前まで四天王作る気満々かよ〕


〔実害はないからいいじゃないですか~。形だけですよ形だけ。アーダさんと汐里さんは喜びますよ。失礼極まりないソフィアさんは知らんですがね〕


〔……ソフィアになんか言われたのか?〕


 ふと気配がするなと思ったら、まとめて5体のモンスターが転送してきた。

 とりあえず、どれもがラスボス級の力はありそうだ。


 雑魚であることに変わりはないがな。


 5体のうち、エイリアンのような姿の奴がほざく。


「よく聞け、北条ほうじょう尊人たけとよ! 我らはドロシー様の側近である【六騎士】だ!」


 似非えせエイリアンの隣には、甲冑姿の奴がいる。で、そいつもほざいた。


「ほう、アジェンダが倒されたか。しかし奴は【六騎士】最弱。たいした損害ではあるまい」


 よし、言わせてもらおう。


「ちょっと待った! なんだ【六騎士】って、【三騎士】が増殖していやがる!」


「最弱のアジェンダは知らなかったようだが、【三騎士】とは仮の姿。真のドロシー様側近は、【六騎士】なのだ!」


「知るかボケ」


絶命槍デス・ランス》を投げて、似非エイリアンを貫いた。《絶命槍デス・ランス》は串刺しにした相手を即死させるスキル。よって死んだな。

 甲冑姿が叫ぶ。


「あぁ! グレイがやられたぁ! ……だが奴は【六騎士】では最弱から2番手。真の【六騎士】は、最弱の3番手からだ」


〔なぁイチゴ。ここで【六騎士】とやらを皆殺しにしても、空気読めない奴とは言われないよなぁ?〕


〔いいんじゃないですか。どうせどいつもこいつも、【三魑魅族】さんをバカにしているに決まってますからね。ったく最近のモンスターはなっちゃないです〕


絶命槍デス・ランス》を連続発射しようとしたら、先にアーダが動いた。

 チェーンソーの先端を、【六騎士】の残り4体へと向けて。


「貴様らこそ聞け! 私は北条四天王が一体、≪軍艦島ダンジョン≫のアーダだ! 四天王最強でもある。そして貴様らを屠るのは、この私だ!」


〔アーダの奴、あんなこと言ってる。大丈夫か? さっき【六騎士】最弱にボコられたけど〕


〔どう考えてもアジェンダが最弱ってことないですよ。《言霊ことだま》はチートスキルでしたし。グレイというのはマジで弱そうでしたけど〕


 甲冑姿が応える。


「覚えておこう、アーダよ! だが最後に勝利するのは、我ら【六騎士】だ!」


 すでに2体減ったくせに、まだ【六騎士】は名乗るらしい。

 で、【六騎士】全員が転送されていった。


 あーあ、殺しそびれた。


 アーダが興奮している。


「師匠! 四天王の残りを集めねばな!」


「もう好きにしてくれ」



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