1/4
一幕
「今日もここはきれいだね…お姉ちゃん。」
私は横にいた姉に問いかける。
(そうだね…ここは本当にきれいだね。)
姉は横にいる私に答える。
家から徒歩10分ほど、細くてなだらかな山道を登っていくと、高台に出る。
奥へ進めば断崖絶壁…足元にはたくさんの木々。
その森の向こう側には海がある。
私はここが…ここから見える景色が、大好きだ。
姉もそう、私と一緒にこの景色を見るのが好きだと言っていた。
おとといも、昨日も、今日も、明日も、あさっても。
私は姉と毎日、この景色を見ている、眺めている。
目が覚めたら、家を出て高台に登るのだ。
そして太陽が海の向こう側に行ったら、家へ帰る。
これが私の日課になっている。
そういえば、昨日は雨だった。
雨に濡れながら、しかし変わらない景色をずっと見ていた。
私に風邪を引かないよう、優しく姉は語りかけてくれた。
「ううん、私は大丈夫。お姉ちゃんこそ気を付けてよ。」
クスクス笑いながら頭を撫でてくれた。
なんの変哲もない平和な日々を、これからもずっとずっと続けていきたかった。




