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言霊使い
それは、器を否定するために喚ばれた少年の物語。
まるで天使のような愛くるしい笑顔の幼女。
その笑顔を守るために、少年は唇に言の葉を宿す。
混沌の中の母の器となることを運命付けられた女の子。
その小さな女の子のために、少年は剣を手に取るのでしょう。
その愛くるしい女の子のために、少年はその身を穢れさせていくのでしょう。
少年は進む。
かつて犠牲となった魂の軌跡を辿るかのように。
少年は進む。
それでも、女の子に笑ってもらうために。
誰が望む世界なのか?
誰の為の世界なのか?
答えはでない。
それでも、女の子を守り続けるために少年は穢れ、堕ちて逝く。
言霊使いと呼ばれる少年の奇跡。