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乙女となりし少年
狭い世界。
その世界に裏切られた少年は何を想う。
信じていた日々を、幻想に描く。
過ごしいていた日々を、夢にみる。
そうして少年は世界をめぐる。
そうして少年は世界を識る。
懐かしき思い出に胸を痛めて、それでも少年は進む。
新しき出会いに思い出を絡めて、そうして少年は笑うのだろう。
裏切りも、信頼も、全てを受け止めて、やがて少年は愛される。
少年を愛したのは魔術師。
愛するがゆえの凶器。
愛するがゆえの狂気。
存在を書き換えられた少年は、そして運命と出会う。
それは愛か恋か。
それは少年だった少女を変えていく。
それは少年だった少女を紅く染め上げる。
赤黒く純白の衣装を染めながら、存在を書き換えられた魂は微笑んだ。
最期の瞬間、少年だった少女は優しく微笑んでサヨナラをした。