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別世界の悪魔
孤独に身を震わせる。
瞳を閉じれば思い出す光景がある。
それは故郷の光景だ。
異端だと言われ、彼を忌み嫌った故郷の光景だ。
それでも彼はその世界に造られた。
だから、彼はその世界を愛した。
世界が彼を愛さなくても。
彼は世界を愛した。
それは、やがて悪魔を愛した天使を狂わせるだろう。
故郷を愛しすぎて狂った悪魔と。
純粋な悪魔に恋をして堕ちた天使。
世界はそれでも彼らを包むのだろう。
やがて生まれ来る世界の器。
そう、すべては予定調和のうちに。
天使と悪魔の狂詩曲。
その詩を灯すのは、誰?