1/6
神話
これだけ、短編にあげたものと同じとなっています。
くらい混沌の中から生まれた彼女。
彼女は闇の中へ手を伸ばす。
それだけで、そこに世界が生まれた。
混沌の中をたゆたいながら、彼女は世界を生み出し続けた。
世界はめぐる。
世界は生まれる。
世界は世界を産み出し続ける。
やがて、世界の中に彼女は人をつくった。
そして、人は神を作り出した。
作り出された神は、世界を転がし始める。
人が先か?
神が先か?
答えを識る女神は、黙して語らない。
人が先か?
神が先か?
万物の母は、ただたゆたうのみで語らない。
世界はめぐる。
流れいくときは歴史になる。
世界はめぐる。
やがて、彼女は器をつくった。
人であり、神であり、彼女たる器をつくった。
次の母なるモノ。
それを宿す入れ物はいずこ?