水泡と無数の石
【バブルボール】
水属性の中級魔法であるバブルボールは、その名の通り大きな水泡を発生させ、それが何かに当たった時に小さな爆発を起こすというものだ。
中級魔法とはいえ威力はそこそこなので、下手に上級魔法を覚えるよりはバブルボールを覚えたほうがいいといわれるほどだ。
そんな魔法がリーザの手から放たれ、一直線に一匹のトードに向かって飛んでいった。
バブルボールは見事にトードの特徴的な白い腹部に直撃する。
それとともに、バブルボールは小さな爆発を起こす。
俺たちはその様子を見ると、心の中で倒すまではいかなくてもダメージは与えられたと思った。
だが、そんなことは一切なく、バブルボールが直撃したトードは小さな傷一つついてはいなかった。
むしろ逆に、バブルボールを受けたほうのトードは受けてないほうのトードと比べ元気になっているようにも見える。
その姿に、魔法を放ったリーザは勿論なこと、エイゼを除く俺、リヤ、ケルフィンも驚きを隠せない。
そんな中、エイゼは冷静にトードに魔法が効かなかったことの説明してくれる。
「え、みんな知らなかったの?トード種に水属性魔法が効かないって事を」
「マジかよ...てか、エイゼは知ってたのかよ。だったら先に言ってくれればよかったのに」
知ってることは先に言っておいて欲しかったところだが、こうなってしまっては仕方ない。
それに、結果的にトード種に水属性魔法が効かないって事を実際に証明できたわけだし。
というか、エイゼは水属性魔法が効かないって知っていた状態で魔法の準備をしていたわけだから、今準備している魔法って何属性なんだろう?
「エイゼ、さっきから準備している魔法ってなんなんだ?」
「ああ、この魔法はね、トード種に一番効果的な属性の上級魔法だよ。今から打つから、見てて」
エイゼはそう言うと、魔力を貯め終わった杖を二匹のトードに向ける。
そして、今言ったように上級魔法を発動させたのであった。
【ネイルストーン】
その一言とともに、杖の先からは非常にとがっている石が何個も生成されてくる。
そして、およそ100個ほど生成した後にそれをトードに向かって飛ばす。
間髪なく放たれる石は、その鋭さゆえにトードの身体に突き刺さる。
そのまま生成されたすべての石が放たれたあとにトードのほうを見ると、なんと二匹のトードが蜂の巣状態で倒れていたのだ。
どうもMontyです。
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