吹っ飛ぶ体と2つの無効
今までなら、相手を切ることはそこまで抵抗なく刃が通ってくれた。
だが、このカエルに関しては抵抗があるどころか、一切刃を寄せ付けないかのように跳ね返してきた。
その反発力はバカにならず、加えた力がそのまま返ってくる。
俺は一撃で仕留めるつもりで切りかかったため、反発されると同時に扉のところまで一気に飛ばされる。
「「「「ラクトくんっ!」」」」
その姿を見た4人は、俺のことを心配そうに見てくれる。
俺自身、飛ばされたあとの着地の体制が良かったので大きな怪我は無い。
強いて言うなら思いっきり地面に叩きつけられたから起き上がるのが少し辛いことぐらいだろうか。
ともかく、大丈夫なことをみんなに伝える。
「俺は大丈夫だ。それよりも、あのカエルはなんだ?何かの本で読んだ記憶があるんだけど思い出せないんだよ」
俺の無事を知ったみんなは少し安堵の表情を見せてくれる。
その後、天才エイゼさんはこのカエルについて知っていることがあるようで、それを教えてくれる。
「あれはトード種の魔物。トード『種』って言うぐらいだからいろんな種類のがいるけど、あれは普通のだね。まあ、普通と言っても今のラクトくんみたいな感じで近接攻撃をしても全く効かないっていう厄介な魔物だけど」
思い出した!
小さい頃に見た魔物に関する本で見かけて、その時カエルが好きだったから見てみたいなー、とか思ってたやつじゃん。
いや、まあ、実際見ると気持ち悪いな。
そんなことはさておき、今はこの2体のトードをどう倒すかが問題だ。
近接攻撃が一切効かないとなると俺とケルフィンは役に立たないだろうし、近接攻撃と同じように物理的な攻撃をする弓矢も効かないかもしれない。
そうなるとリヤまでもが戦力外になる。
俺達が魔法を使うのもありだが、現在魔法メインでない俺達三人はそこまで魔法を使うのが得意というわけでないし、マナの効率的な使用が求められているこの課題試験では、このトード2体を倒すために全員が魔法を使うなんて非効率的なことをする事はできない。
なので、ここは必然的に魔法特化のエイゼとリーザに頼らざるをおえなくなる。
二人は俺の意図をしっかりと理解してくれたようで、すぐに持っている杖にマナを集中させ魔力を高める。
俺達も微力ながらも一発ぐらいは打っておくことにした。
エイゼは威力が高めの魔法を打とうとしているらしく貯めるのに時間をかけている。
その間に、先に準備を終えたリーザがすぐに魔法を放つ。
【バブルボール】
リーザが放った水属性魔法は見事に1匹のトードに命中したが、リーザが放ったバブルボールすらも無効化し、さらに今回は無傷どころかより元気になっているようにも見えた。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
感想、ブクマ、評価等してもらえると嬉しいです。
また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。




