高質量の垂直降下と2匹のカエル
「みんなっ!上だっ!上を見ろっ!」
暗闇の中に浮かぶ謎の眼光と睨み合いをし、その後なんとか第十二階層に足を踏み入れた俺たちであったが、つい数分前まで目の前にいた謎の眼光の生物が消えてきたことに疑問を抱いていた。
たった数分の間に姿を消したとなると、この階層の奥まで逃げてしまったか、はたまた天井にでもいるのかと思い上を見上げてみると、まさかの予想が的中。
さっきの眼光の正体であろう魔物が天井に引っ付いていたのだ。
俺はそれを見つけると、すぐに上を見るようにみんなに伝える。
いきなり指示をされて驚いたみんなだったが、戸惑うことなく上を見上げる。
その時、俺は上を見るように言ったことが間違いだったと気づく。
なぜなら、奴らは俺たちが再びこの階層に足を踏み入れた時に上から奇襲するために天井に張り付いていたのだろう。
それに、位置関係上真下にいる俺たちは必然的に不利な状況になる。
そんな状況下で一瞬たりとも上を見るために足を止めたとなると、奴らからは格好の的となる。
もちろん奴らはその隙を逃さずに真上から垂直降下をしてくる。
俺たちは上を見続けていたため、垂直降下をしてきたのに気づき、間一髪のタイミングで避けることができた。
奴らが俺たちを仕留めれず床に着地した時、その大きな質量により地面にある微量な砂が舞う。
それと同時に、石でできていて硬く丈夫な地面が揺れる。
避けるタイミングで扉の方に飛び込むような形で避けた俺たちは、その影響で体制を崩しているのに加え衝撃で立てずにいた。
それに対し、上から降って来た奴らは舞い上がった砂により視界を奪われており身動きが取れずにいた。
互いに身動きが取れずにいる状態で時間が経過し、こちらはなんとか身動きが取れるようになった。
ただ、偶然なのかなんなのか、奴らも同タイミングで身動きが取れるようになる。
舞った砂も床に落ち、完全に視界が確保された時、初めて互いに互いの姿を認識する。
その姿とは...
「あれは...カエル...なのか?」
俺たちを襲ってきた正体は、高さだけで確実に2メートルは超えている2匹の『カエル』であった。
俺はこいつを本で見たことはあるが、あまり情報は頭に残っていなかった。
そのため、このカエルの情報収集などをしたいところではあるが、気持ち的に何か危機感を覚えたのか、それとも何か嫌な予感がしたのかははっきりとはわからないが、ともかく攻撃を仕掛けなければいけないと思い剣を片手に1匹のカエルに斬りかかる。
しかし、俺の剣はカエル独特の皮膚の弾力性により弾き返されてしまったのだ。
どうもMontyです。
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