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屋外授業と小さな魔物

課題試験の次の日。


俺たちは本格的に魔法の勉強を始めた。


今は校庭で、基礎となる初級魔法について学んでいた。


といっても、知識的な事は教室で学ぶので、校庭や魔法実習室では、主に実技を行う。


魔法実習室は主に授業で学んだことを実際にやってみたり、実験を行ったりする部屋である。


だが、やはり部屋なので狭く、一度に複数人が魔法を放つ事はできない。


そのため、今回は校庭で授業を行うのだ。


そうこうしているうちに、授業が本格的に始まった。


「よし、始めるぞ。前の課題試験で全員が初級魔法を使える事は確認しているが、再確認も兼ねて俺が言った魔法を発動してもらう。もちろん全力でやってくれ。まずは、火属性のファイアボールからだ」


そう言われると、全員が魔法を発動させるために利き手を前に出した。


こうする事により、発動させる魔法をある程度狙った方向に打てるようになる。


今回は10メートル程離れた的に当てる。


魔法を当てたい的が遠くなればなるほど、重力によって下に落ちてしまうので注意が必要だ。


まあ凄腕の魔法使いになると、3キロ以上も離れていて、かつ動いている的にあてることも可能だ。


そのような、魔法を使って距離が離れている的に当たることができる人のことを、別名《狙撃手スナイパー》とも呼んだりする。


といっても、この学園ではそこまでの長距離狙撃ができるようになるまで鍛えたりはしないから関係ないが。


あ、この知識はもちろん前に読んだ本からだ。


余談はここまでにして授業に集中するとしよう。


手を前に出したあと、手のひらに魔力を集中させる。


この時、みんなの魔力がどのくらいなのかを感じることができる。


みんなの魔力がどのくらいなのか見てみると、俺より高い人と低い人が半分くらいずついた。


やっぱり俺は平凡なようだ。


俺より魔力が高い人の中でもひときわ目立つのは、やはりエイゼだ。


彼女の魔力はこのクラス断トツで、もしかすると先生よりも高いかもしれない。


そんな彼女の迫力に感化されたみんなは、さっきよりもマナの注入量をあげて魔力を高めた。


俺はこれだけでは終わらないのが分かっているので、変化させなかった。


「次の魔法からは、みんな威力落ちるだろうな」


そう独り言を言っている間に、みんなの魔力の上昇が止まった。


このままファイアボールを発動させるらしい。


俺も自分の手のひらに集中した。


【フレイム】


全員が同時に唱えた魔法は、全て一直線に的に向かって行って直撃した。


ファイアボールはその名の通り直径10センチほどの火の玉を飛ばす魔法だ。


それがあたった物には火が燃え移る仕組みになっている。


そして的は燃え尽きてしまった。


いくら初級魔法と言えども、20人同時に発動させたらかなり強力なものになった。


的を新しいのに変えると、先生は次の指示をした。


「じゃあ次は、水属性のアクアだ」


みんなさっきと同じように、手のひらにマナを注入し魔力を高めた。


さっきの予想通りみんなの魔力は落ちていたが、気にせず続けた。


【アクア】


さっきのと同じく、全ての魔法が的に直撃した。


この魔法は少量の水を発生させるのだが、20人ともなると水圧で的が倒れてしまった。


これまたさっきと同じく先生が的を新しいのに変えると、指示を出した。


「次は、風属性のカッターだ」


言われてすぐに魔法の準備をし、すぐに魔法が放たれた。


【カッター】


みんなの手から発射された風の刃は真っ直ぐ的に直撃した。


風の刃によって的は切り裂かれてしまった。


またまた先生がまたを設置すると、指示を出した。


「最後に、土属性のローフソイルだ」


ローフソイルは荒い土の塊を発生させる技だ。


【ローフソイル】


みんなが唱えると同時に、手から荒い土の塊が発生し的に向かって飛んでいった。


そのまま真っ直ぐ進み、的に直撃した...


「グェ!」


と思ったら、よくわからない声が聞こえてきた。


どうやら、何かの生き物に当たったらしい。


当たった時土の塊が砕けて発生した土煙りが晴れたあと、先生は声がした方によって行った。


声の正体を見た先生は驚きながら、


「全員離れろ!早く!」


今まで聞いたことのない迫力のある声でそう言ってきた。


俺たちは距離をとり、先生を見た。


すると先生は、腰に装備してあったナイフを取り出した。


そのナイフは青色に光っていた。


どうやら、水属性の魔法をエンチャントしてあるらしい。


先生はエンチャントしてあるナイフを、声の正体に突き刺した。


その後、声の正体の生命活動が停止した。


それを確認すると先生は


「お前ら、こっちに来い。なかなか面白いものを倒したぞ」


そう言われた俺らは、先生の方によっていった。


先生の足元には、なにやら羽のついた生物がいた。


もっと詳しく見てみると、その羽は目玉から生えていたのだ。


どうやらこいつは、1つ目に羽が生えた生物らしい。


てか、さっきの声はどっから出したんだよ。


みんながこいつを見ている中、1人が先生に質問した。


「先生、さっき面白いのとかいってましたが、これはなんなんですか」


これについては俺も気になっていた事だ。


この質問に対して先生は、俺らにとって驚くべき事実を教えてくれた。


「これは下級の魔物のスクルスだ。しかも召喚系の。で、この世で魔物を召喚できるのは、魔王とその幹部だけ。だが、魔王はまだ完全復活していない。ということは、この近くに魔王軍の幹部がいる可能性があるということだ」


これ言葉が、俺たちの今後の運命を狂わせるきっかけとなった。









どうもMonty(モンティー)です。

今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。

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