作戦通りと殲滅戦
「ヴゥゴゴ!?」
いきなり俺たちが現れたことにホブゴブリンは驚いたようで、よく分からない声を発していた。
「とりあえず、第一関門は突破だな。ここからも作戦通りに行くぞ!」
第一関門、それはホブゴブリンが何らかの方法で回復しきっておりいつでも戦闘ができる状態、もしくはその状態でこちらに向かってきているかどうかだった。
この作戦はホブゴブリンが万全な状態でないと成立しないものだったので、実際ここが一番重要なところでもあった。
ここを無事突破できたのなら、あとはこの流れのまま作戦を進めるだけだ。
俺から問題がないと聞いたみんなは、すぐさま行動を次に移す。
次は、さっきゴブリンが湧いたときと同じ状況を作り出す作戦だ。
後衛はホブゴブリンと少し距離をとったところで待機する。
距離をとったあとに、魔法を使うものはがゴブリンが湧いてきたときのために魔法をすぐさま唱える準備をしておく。
唯一の弓使いであるリヤは、さっきとは違い魔法部隊からも少し距離をとり、ホブゴブリンと魔法部隊と同じぐらいの距離を取り弓矢を構えておく。
ゴブリンの沸き場所や湧き数に限りがあると仮定した時、魔法部隊と弓使いのリヤとの距離を離しておけばどちらかが囲まれても外から攻撃することができるという寸法だ。
魔法部隊とリヤが所定の位置に付いた後、前衛で戦える俺とケルフィンとエフはホブゴブリンとの距離を詰める。
大剣持ちのケルフィンを真ん中にして、俺とエフがはさむようにして進んでいく。
ホブゴブリンは回復を諦めすぐさま攻撃態勢に切り替える。
ケルフィンは俺たちより少し前に出ているため、最初の戦闘はホブゴブリン対ケルフィンの形になる。
互いの棍棒と大剣がぶつかり合い反動で軽く後に持っていかれる。
俺とエフはひるんだ隙に近づき確実に一撃を入れていく。
ケルフィンは簡単に指を切っているように見えたが、ホブゴブリンの外皮はそれなりに硬く簡単には切れない。
そのため、俺たちがしっかり当てても傷は浅い。
だが、これを続ければそのうち倒せるはずだ。
勿論ホブゴブリンもこのことに気づかない訳がなく、早速対策を打ってくる。
その対策とは...
「ラクト君、予想通りゴブリンが湧いてきたよ。早速やっちゃうね」
ホブゴブリンからしたらゴブリン召還はかなりの大策なのだろうが、こちらからしたらもっとも好都合だ。
そこから先のゴブリン対策は作戦通りに進み、湧いてきたゴブリンすべてをさっくっと殲滅できたのだ。
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