接戦と絶体絶命
「はぁはぁ、なんとかなったか。でも、まだホブゴブリンが…。早く戻らないと」
いきなり後ろにゴブリンが湧き慌てたが、なんとか切り抜くことができた。
これで安心したいところだが、まだ部屋の中央ではホブゴブリンと戦っている前陣組がいる。
休む暇もなく前線に戻るために部屋の中央を振り向き走り始める。
ただ、部屋の中央には予想外の光景が広がっていた。
それは、前陣4人のうち2人が倒れていたのだ。
「ラクト、早く来い!一旦扉の手前まで引くぞ!」
俺はすぐに合流し、倒れている1人の肩を持ち扉の方に進み始める。
エフももう1人の肩を持つ。
もちろんホブゴブリンは簡単に流逃してくれるはずはなく、棍棒を振りながら追いかけて来ようとする。
追ってくるホブゴブリンにはケルフィンが対応してくれるが、流石に俺たちを庇いながら戦うため、攻めれずに守りが中心になってしまっている。
「すまん、ケルフィン。あと少しだけ頼むぞ」
俺は負傷者に負荷をかけないように、出来るだけ急いで戻る。
ケルフィンは俺の呼びかけに声で答える暇が無いようで、こちらを見て少し頷きすぐさま剣を構えて攻撃を仕掛ける。
大剣は威力が高いが、大きさ的にシンプルな攻撃しかできないため簡単に受け止められてしまう。
そこからは、互いに攻撃して受け止められ、逆に攻撃して受け止めるの繰り返しになる。
真の互角なら、体力がある限りそれが永遠と続くはずだ。
しかし、圧倒的体格差と力の差で徐々に押される。
俺らがもたもたしていたらさらにやばいことになりかねない。
俺は少しペースを上げ進む。
ホブゴブリンとの距離が少し開いたタイミングで、後ろからものすごい金属音が響いた。
俺はその音に驚きつつも後ろを振り向く。
「ケルフィン、大丈夫か!」
金属音の正体は、ケルフィンの大剣の音だった。
ケルフィンは何かに押された感じで後ろに倒れており、ホブゴブリンが倒れているケルフィンを見て少し笑いながら、棍棒を振り下ろそうと高く上げていた。
倒れているケルフィンの近くに、さっきまでケルフィンが使っていた大剣が落ちていた。
今のこの状況を見た感じ、ホブゴブリンの強力な一撃によってケルフィンが吹き飛ばされ、その攻撃の衝撃で大剣も飛ばされたのだろう。
大剣はケルフィンがすぐに回収できる位置にあるが、そんな暇もなく棍棒が振り下ろされてしまうだろう。
もちろん、俺が今から行ったところで間に合うはずもない。
どうするがすぐに考えるが思いつくはずもなく、ホブゴブリンの棍棒が振り下ろされてしまった。
無理だと諦めかけたその時、ホブゴブリンが棍棒を持っている右の手首に矢が刺さったのだ。
どうもMontyです。
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