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課題試験と2人の力

課題試験当日、1学年の生徒全員が試験会場となる演習室に集められた。


この学園は1学年60人で構成されている。


そこから1クラス20人の3クラスに分けられる。


今回の試験はクラスごとに行われ、試験監督はそのクラスの担任が行うことになっている。


そのため、演習室を大体ではあるが3つに分けて試験を行うことになる。


演習室は魔法の演習のために作られた部屋で、魔法に関する道具がたくさん置かれている。


だが、今日は試験ということもあり何が起きるのか分からないので、すべての道具が倉庫にしまわれている。


その代わりに置いてあるのが、今回の試験で使う用の道具だ。


その道具は、剣、弓、杖、斧の4つだ。


その中から1つ選んで試験に挑む。


今回、俺とエイゼが選んだのは『剣』だ。


見た目は普通の片手剣で、素材は木でできている。


そうこうしているうちに、先生が試験の説明を始めた。


「まずはやる順番だが、俺が適当に指名するから、指名されたら前に出て来てやってくれ。何かしらできれば点数は付ける。0点は付けたく無いから、みんな頑張ってくれよ。じゃあ最初はミルとアルブからな」


先生はそう言ってから、椅子に座った。


椅子の前には机があり、そこに紙とペンが置いてあった。


あの紙はどうやら名簿のようだ。


きっとあそこに、俺たちの成績を付けるのだろう。


そうしているうちに、試験が始まった。


最初は、ミル・エンズとアルブ・ロイネスの2人だ。


俺は2人の名前を知っているだけで、他の事は何も知らない。


どうやらミルの方がエンチャントを使い、アルブの方が付与可能状態になっている剣に魔法を付与するようだ。


【エンチャント】


そうミルが唱えると、剣が淡く光り出した。


これで、付与準備は完了した。


ここに何かしらの属性魔法を唱える事で完成するはずだ。


そこでアルブが唱えたのは、


【フレイム】


なんと初級魔法だった。


たしかに初級魔法の方が付与がしやすく、効果が切れにくくなる。


でも、もう少し高い点数を狙って中級魔法を使っても良かったと思うけど。


そう考えている間に採点が終わり、次のペアの名前が呼ばれた。


「よし、次はガストとリヤだ。準備をして俺の前まで来い」


そう呼ばれたガスト・ブルとリヤ・エイズは、弓を持って先生の元に向かった。


付与魔術を使うのがガストで、属性魔法を使うのがリヤらしい。


俺は心の中で中級魔法を使ってくれ、と願いながら眺めていた。


最初のミル、アルブペアのようの付与魔術が唱えられ、いよいよリヤが属性魔法を唱えようとしていた。


【ヒール】


今回リヤが唱えたのは、水属性の初級魔法の回復(ヒール)だ。


これはナイル先生が俺に使ってくれた回復魔法だ。


てか、あの時回復じゃなくてもっと強力な回復魔法を使ってくれれば、俺は入学式に参加できたかもしれないのに。


まあ、今そんな事を考えてもどうにもならないのだが。


しかし、またしても初級魔法だった。


俺は偶然この2ペアが初級魔法を使ったと思い、他のペアの様子を見ていた。


だが、どのペアを見ても初級魔法を使っていた。


それに対し俺たちは、上級魔法に複数の無属性魔法を重ねて使うという、傍から見ればやはり無謀なことをしていた。


少し心配になり、俺はエイゼに最終確認をした。


「なあエイゼ、本当にこれでいいのか?やっぱり、もう少し楽なほうがいいと思うけど」


「大丈夫だよ、きっと。昨日だって成功したじゃん。あの感覚やればいけるよ」


ああ、意外とエイゼって無鉄砲だったんだ。


余計心配になってきた。


俺たちが呼ばれたのは最後だった。


俺たちで終わりということもあり、試験が終わった生徒の目線が俺たちに集中していた。


「じゃあはじめてくれ」


そう先生に言われ、俺は魔法を唱えた。


【エンチャント】


俺が剣に魔法を唱えると同時に、淡く光りだした。


これで、付与準備が完了した。


他のペアはこのまま魔法を付与するが、俺たちはこのままでは終わらない。


【グロウス】


俺は付与準備が完了した剣に、増殖魔法を唱えた。


グロウスの効果を受けた剣は、淡い光を放ったまま4つに増えた。


そこから、エイゼがそれぞれの剣に上級魔法を唱えた。


【ボルケイノ】


まずは火属性の上級魔法のボルケイノ。


【アクアキャノン】


次に水属性の上級魔法のアクアキャノン。


【ハリケーン】


そして風属性の上級魔法のハリケーン。


【グラウンドイロージョン】


最後に土属性の上級魔法のグラウンドイリュージョン。


すべて唱え終わると、4つの剣がそれぞれ赤、青、緑、黄の4色に光りだした。


これでエンチャントが完了した。


だが、本番はここからだ。


この魔法が成功しなければ、俺たちの得点は0になる。


俺はゆっくりと、その魔法を唱え始めた。


【フュージョン】


そう唱えられると同時に、4つの剣が1つにまとまった。


これで付与した魔法が消えてなければ成功だ。


俺とエイゼは1つになった瞬間の剣を見た。


その剣からは、様々な光が発せられていた。


この光かたは、昨日見たものと同じだった。


なんと、一発で成功させることができた。


俺とエイゼは喜びたかったが、まだ早かった。


審査が残っているのだ。


数分の審査を終え、先生は結果を報告する前に剣の効果について教えてくれた。


「結果の前に、この剣の効果についてだ。この剣は、使用者が唱えた属性または魔法名の通りに瞬時に切り替えてくれるというものだ。私がこの人生で始めてみた剣だ。ましてや、ここまで高度なことをたった2人でやってのけるとはとてもすごい。以上のことを考慮して、今回の結果は...見事満点だ。よくやった」


結果はなんと、予想の高得点を超えた満点だった。










どうもMonty(モンティー)です。

今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。

また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。

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