情報共有と開けられた扉
「みんな、準備はできてるな」
エフがそう言うと、周りにいる人全員が頷いた。
ヴィシュヘル第十階層の扉の前のエリアにて、フロアボスに挑むために合同グループを作った俺たちとエフのグループは、それぞれ準備を整え戦いに備えていた。
先に準備を終えた俺とエフは、互いのグループについて話し合っていた。
「エフ、フロアボス戦での立ち回りとかを考えたいから、そっちのグループの武器構成とかを教えてくれないか」
合同グループと言っても、統率が取れなければ意味はない。
そんなんだったら、少ない人数で挑んだ方が何倍もマシだ。
「そうだな。こっちは、前陣3人の後陣2人だ。中陣担当はいない。前陣は、片手剣2人の短剣1人。後陣は、攻撃専門とサポート専門で分けてる」
後陣の役割分けは基本戦術の一つだ。
エイゼとリーザみたいに、才能がある2人が一緒なら同時に攻撃して同時にサポートすることは可能だ。
ただ、攻撃とサポートの両方をするとなるとマナの消費量も増えるし、何より技術が無いと手が回らなくなる。
そのため、役割分けをする。
前陣の組み合わせは、おそらく色々試して使いやすかったのを選んでいるのだろう。
まあ、片手剣は基本的で扱い易いし、短剣は軽くて素早く攻撃できるからな。
多分、今回選べる武器では使いやすい二つだろう。
こっちとの組み合わせはじっくり考えるとして、エフにもこっちのグループのことを教えないとな。
合同グループなんだから情報共有は大事だし。
「そっちの事はよく分かった。それと、俺たちのグループは前陣2人、中陣1人、後陣2人だ。前陣は片手剣と大剣。中陣は弓矢で、後陣の2人は攻撃とサポートの両方をこなしている」
「そりゃあ、魔法実技一位と二位がいるグループだもんな。後陣は自由が利くよな。それに、中陣までいるとはな。まあ、これをどうするかは任せるわ。俺は作戦を考えられるほど頭は回らないし」
「ああ、任せてくれ」
そう言ってから、俺は壁に寄りかかり作戦を考えた。
その後、みんなの準備が終わり扉の前に集まった。
エイゼは、扉隣のスタンプ台で第十階層のところにスタンプを押していた。
俺は、みんなに今回の立ち回りについてせつめいしたあ。
エフは、みんなを見回してから戦闘前の挨拶を始めた。
「ええー、これから挑むのは俺たちにとっての初めてのフロアボスだ。何が待っているかはわからないけど、後悔しないように全力で挑もうぜ!みんな、準備はできてるな。行くぞ!」
「「おおーーー!」」
エフの掛け声に対し、みんなは大きな声で返した。
エフはそれを聞いた後に、扉に手をかけて開けた。
今から、ヴィシュヘル第十階層のフロアボスと戦いが始まる。
どうもMontyです。
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