階層跳びと合同グループ
「あれっ?ラクト達じゃん!どうしたんだよ、こんなところで」
自分達が何階層にいるのかもわからないまま30分ほど経った時、上の階層に続く階段から足音が聞こえてきた。
今までこの扉前のエリアに魔物が来たことはなかったが、万が一のこともあるため全員が装備をしいつでも戦闘できる状態で居た。
だが、降りてきたのは魔物などではなく人間。
しかも、俺のルームメイトのエフがいるグループだったのだ。
「いや、ちょっと道に迷っちゃって。ここが何階層か教えてくれないか」
俺はとっさに嘘をついて誤魔化そうとする。
「道に迷ったって、ダンジョンの中は基本的に一本道じゃねえかよ。まあ、それはあとでいいか。ここが何階層かだっけ?ここは第10階層前の扉だよ」
「えっ?第十階層!?」
俺たちが隠し部屋を見つけたのは第八階層だった。
そこから隠し通路を使ってここまできたが、まさか二階層分も進んでいたとは。
というか、ここが第十階層の扉前ってことは次はフロアボスってことになるな。
フロアボスが討伐できるかできないかで大きな差が生まれるから、エフ達と相談する必要があるな。
「なあ、エフ。ここが第十階層の扉前ってことは、この先はフロアボスだろ。このままフロアボスに挑むのか?」
「俺たちは少し休んでから行くつもりだけど、そっちはどうするんだ?」
「実は悩んでいるんだ。フロアボスなんて初めてだし、どんな危険があるからわからないしな」
フロアボスが初めてということもあり、エフ達のグループメンバーは少し緊張気味だ。
せっかくだし、ここで仕掛けてみるか。
「エフ、この先何があるかわからないしさ、次のフロアボス一緒に挑まないか?」
「確かにその方が安全だな。ちょっと待っててくれないか?みんなと相談してみる」
エフはそういって話し始めた。
俺も、そのうちにみんなの元に行って説明する。
「みんないいか?次のフロアボスだが、さっき言ったように出来ればエフ達のグループと一緒に挑もうと思う」
「それは構わないけど、なんでわざわざ一緒なの?私達が先に挑んでフロアボスを倒せれば、かなりの得点を得られると思うのだけど」
当たり前だが、エイゼは俺の意見に質問してくる。
ただ、俺もここで引き下がるわけにはいかないため追加で説明する。
「確かに俺たちで倒せれば高得点を得ることができるだろう。でも、フロアボスがどんなのかもわかっていないた作戦が立てられない今、他のグループと協力した方が安全だろう。たとえ、エフ達のグループと得点が半分にされても、リタイヤするよりは何倍もマシだと俺は思う」
俺がそう言い切ると、エイゼは納得したようで口を閉じた。
他のみんなも俺の意見に反対しなかったため、エフ達に問題がなかったら一緒に挑むことにした。
その後、エフ達のグループの話し合いが終わり、エフが俺に近寄ってくる。
「俺たちのグループは、そっちさえ良ければ一緒挑みたいと思う。エフ、そっちはどうだ?」
ここで断られたら、俺たちは先に挑む。
頼む、エフ。
大丈夫だと言ってくれ!
「俺たちが話し合った結果は、お前達と一緒に行くことにしたよ」
「本当かっ!なら、よろしくな!」
「おう!」
こうして、俺達のグループとエフのグループは一時合同グループとなり、フロアボスに挑むことが決まった。
どうもMontyです。
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