宝箱の下と隠し通路
「『隠し部屋をもっと探せ』、か。この部屋にまだあるっていうのか?」
ダストル先生からそう言われた俺たちは、隠し部屋に何かあると信じ探索を始めた。
隠し部屋自体小部屋のようなものなので、広くなく探すにも特に何も無いのがオチだった。
部屋の中にあるものといったら、中心においてある宝箱ぐらいだった。
・・・宝箱?
「そうか!宝箱か!」
俺はそう言って宝箱を調べる。
俺たちは、完全に宝箱に入っていた剣に意識が行っていた。
そのため、いつの間にか宝箱には何も無いと思っていたのだ。
俺が宝箱を調べ始めると、みんなも集まってきた。
おそらく、他の場所に何も無かったため宝箱しかないと思ったのだろう。
ただ、宝箱を調べてみるが何も無かった。
ダストル先生の言っていたことが嘘だと思ったそのとき、リーザが何か見つけたようで俺に声を掛けてきた。
「ら、ラクト、これ」
「ん?どうした、リーザ。これって、隠し通路か?」
リーザが言った場所は、宝箱の下に引いてあるカーペットだった。
そのカーペットをめくると、下へと続く扉があった。
詳しく見るために宝箱を退かし、カーペットを外した。
すると、その扉の全貌が明らかとなった。
「これって、隠し通路だよな」
扉は簡単に開く仕組みになっていたため、手を掛けて開けてみると通路とはしごがあった。
通路の中には灯りがあったため、俺は通路に降りて安全確認を行うことにした。
「ラクト君、大丈夫?」
「大丈夫だ、エイゼ。何か魔物が居るわけじゃなさそうだし。みんな降りてきてもいいぞ」
「ラクト君がそういうなら」
そうして、みんなが通路に下りてきた。
「本当だ、何も居ないね。というか、思ったより広いんだね」
リヤが言うとおり、人2人が横に並んで通れるぐらいの幅はある。
高さも、2メートルはあるだろう。
道は奥まで続いているため、まとまって歩いて行った。
道の端にはまたはしごがあり、俺先頭で降りていく。
降りた先にも道が続いていて、灯りもついていた。
上と同じく魔物も居ないようで、道どおりに進んでいった。
そして道の終わりまで行くと、扉が立っていた。
「これって、出ても大丈夫かな?」
リヤは心配そうに俺に聞いてくる。
「わからない。でも、引き返すわけにも行かないし行くしかないだろ」
そうして、俺はドアノブに手を掛けた。
ドアノブを回し扉を開けると、そこには見慣れた大きな扉とスタンプが置いてある机があった。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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