行動パターンと切れ味
宝箱から入手した剣を構えた俺は、突っ込んでくるスライムと対峙しようとしていた。
スライムとは何度か戦ったが、1人で戦うのは初めてだった。
ただ、ダストル先生とこの剣の性能を信じて戦うことにした。
最初はスライムと少し距離があったのだが、跳ねながら近づいてきながら徐々に加速してきている。
スライムに捕まってしまったら命が無いも同然のため、倒すことができなくとも攻撃を当てなければ終わってしまう。
あせって剣を振りそうになってしまうが、それを抑えて一旦深呼吸する。
そしてスライムの行動パターンを読む。
スライムは攻撃するとき、ジャンプの最高到達点で攻撃してこようとする。
逆に、スライムとの距離とジャンプの高さを考えれば避けることもできるし、攻撃を当てることもできる。
今回はこの剣の性能チェックも兼ねているため、スライムのジャンプのタイミングに合わせ剣を振る。
振った剣は見事にスライムの真ん中を捕らえ、そのまま真っ二つにする。
切った感触はほとんど無く、この剣の切れ味に驚かされる。
今まで使っていた剣の性能が悪かったわけではないのだが、スライムの身体がゼリー状のため何かを切った感触があった。
だが、この剣でスライムを切ると、まるで水を切っているかのような感触を感じた。
この剣の素の性能にも驚かされたが、何よりもスライムを切れたことが良かった。
スライムを切れたといってもまだ倒せたわけじゃないので、すぐさま次の攻撃を当てるために剣を構える。
そして切ったスライムの方向を見ると、そこには破片となっているスライムが居た。
破片となったスライムを確認した直後に、体に力が注入されているような感覚を味わった。
「え?たった一回切っただけなのに。それに、今の感覚はなんだ?」
「それが『マナ吸収』の能力だ。マナ吸収は、今みたいに攻撃を当てるとマナを吸収することができる。そして、スライムを一撃で倒せたのもマナ吸収のおかげなんだ」
「それってどういうことですか?」
「スライムには自己修復能力があるのは分かっているだろ。その仕組みは、スライムの身体の中にあるマナを貯めてある核からマナを使って修復してるんだ。今スライムが一撃で倒されたのは、スライムの核からマナを吸収したからだ。この剣一つあれば、余裕でスライムを倒せてしまうってことだよ」
「す、すごい」
俺は、マナ吸収がこんなことにも利用できるとは思わなかった。
「まあこの剣の効果はこんなもんだ。じゃあ、あと一つ言っておく。隠し部屋をもっと調べてみろ。それだけだ」
ダストル先生はそう言い残し、その場から姿を消した。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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