マナ吸収と真っ二つ
「ラクト、これは大当たりだな」
ヴィシュヘル第八階層の隠し部屋で宝箱を見つけた俺たちは、今その中に入っていた剣をダストル先生に解析してもらっていた。
「先生、その剣には何がついていたんですか?」
ダストル先生は大当たりと言っていたので、かなり強い効果がついているはずだ。
だが、俺は付与効果に知識があるわけではないので、どんな効果がついているのかの予想はつかない。
なので、先生の言葉に心を躍らせていた。
「この剣には、マナ吸収の効果がついている」
「マナ吸収...ですか?」
「ああ、そうだ。正確には、マナ吸収だけじゃなくて属性系エンチャントも付いている。属性系エンチャントは土属性の上級魔法が付いているんだが、それ以上は俺の解析魔法の腕が高くないから見ることはできない」
「そうですか。で、マナ吸収ってどんな効果なんですか?」
俺は土属性の上級魔法がエンチャントされているだけでも普通にうれしかったが、それよりもマナ吸収の効果が気になるところだ。
「まあ待て、普通は上級魔法が付いているだけも当たりなんだぞ。それと合わせて無属性魔法がエンチャントされているとはな。この剣は俺が見てきた中でもかなりいいほうだな。それよりマナ吸収のほうか。マナ吸収は、その名の通りマナを吸収する効果がある。マナを吸収するには、マナを体内で保有している生物にダメージを与えると吸収できる。属性魔法のエンチャントがかかってなかったら人に使うしかなかったが、この剣に土属性の魔法がエンチャントされているから魔物からもマナを吸収できるんだ。この剣を駆使すれば、今回の課題試験の難関であるマナに関する問題は余裕で解決できるな」
俺はどうやら、なかなかに高性能な剣を手に入れることができたらしい。
ダストル先生が一通り説明を終えると、俺に剣を返してくれる。
「ラクト、せっかくだし使ってみたらどうだ?丁度いいところに魔物が居るしな」
ダストル先生がそう言うと、隠し部屋の外に湧いていた魔物を指差す。
その魔物とは、スライムだ。
スライムは今まで使っていた剣では倒すのが苦戦していたのだが、この剣でなら楽に倒せるかもしれない。
俺はこの剣を早速使ってみたかったため、隠し部屋を出て剣を構える。
俺に気づいたスライムが突撃してきたため、俺はタイミングを合わせて剣を振りスライムに当てる。
すると、真っ二つに切れたスライムは、そのまま死んでしまったのだ。
どうもMontyです。
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