箱の中身と解析
ヴィシュヘル第八階層にて隠し部屋を見つけた俺たちは、隠し部屋の中にあった宝箱を開けようとしていた。
「じゃあ、開けるぞ」
俺がそう言うと、周りのみんなの視線が宝箱に集まる。
俺はゆっくりと宝箱を開ける。
その宝箱の中身は、剣だったのだ。
「これって剣だよね。見た目普通だけどなにかエンチャント効果があるみたいだね」
俺はその剣を手に取り、軽く振ってみる。
「普通に使いやすいな。でも、振ってみた感じ効果が発動している感じはないけど」
「ちょっと貸してみろ」
俺が色々試そうとしていたとき、入り口のほうから聞き覚えのある声が聞こえてきた。
俺たちのグループのメンバーは全員隠し部屋の中に居るし、何よりその声は男性の声だった。
このグループで男なのが俺だけだから、俺たちと全く関係のない人のはずだ。
俺は、その声の正体を知るために入り口のほうを向く。
「えっ。何でダストル先生が居るんですか?」
入り口に立っていたのは、俺たちの担任のダストル先生だったのだ。
「普通についていってただけだよ。一グループにつき一人先生がつくようになってるからな。それより、その剣を貸してみろ。ちょっと『解析』してやるからさ」
「先生って、解析魔法が使えたんですね」
「そうだ。最初のエンチャントの課題試験のときに、すぐにお前とエイゼの剣の効果を知れたのはこれを使ったからなんだぞ」
解析魔法『アナリシス』とは、その名の通り解析することができる魔法だ。
解析できるのは物体のみと限られているので使いどころは限られているが、今回のように、ダンジョンなどで武器やアイテムを見つけたときにすぐその能力を知ることができるのだ。
「これからの戦闘でこの剣を使ってもらっても構わないが、あまりにも性能が異常だった場合は違反として失格になるからな。お前たちには失格になってほしくないから解析してやるよ」
ダストル先生はそう言って、宝箱に入っていた剣に解析魔法を使った。
【アナシリス】
解析魔法を唱えると同時に、剣が弱い光を放つ。
この光を放っている間は、魔法使用者が解析している証拠となる。
俺たちは、ダストル先生が解析を終えるまでずっと剣を見ていた。
そして少しすると、剣から光が消えた。
解析が終わったようだ。
「解析の結果だが、大当たりだな。失格にならないレベルの効果の中でも、トップクラスの効果だ。こいつの効果は...」
ダストル先生が言った効果とは、とても驚くべきものだった。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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