壁のスイッチと扉の出現
ダンジョン内には隠し部屋というのが存在している。
隠し部屋の中には財宝や強力な武器が入っている宝箱があったり、下の階層へと一気にショートカットできる隠し通路があったりする。
中には、空の宝箱が置いてあり箱を開けると大量の魔物が沸いてくるトラップがあったりする。
ヴィシュヘルには、珍しくフロアボスが居る階層を除いたすべての階層に隠し部屋が存在している。
さらにトラップがある隠し部屋はなく、見つけたものには利点しかないというとても良心的な隠し部屋なのだ。
だが、ダンジョン自体の難易度はそこまで高くないため様々の人の手によって隠し部屋を見つけられてしまっている。
そのため、すでに発見済みの隠し部屋に入って宝箱があっても、何も手に入れることはできない。
ただ、ヴィシュヘル内で隠し部屋が見つかってない階層が合計3階層あるため、今回の課題試験では最下層までの踏破と合わせ、見つかられてない隠し部屋を見つけるのも目標としている。
今居る第八階層は、まだ隠し部屋が見つかってない階層の一つである。
なので、俺たちのグループは隠し部屋を探していた。
ただ、階層の創りはどの階層でも大差ないのに対し、今までの階層で隠し部屋を見つけてないことから、探索方法を変える必要があった。
そこでみんなに何かないか聞いてみた。
すると、リーザが今まで思いつかなかったことを言ってくれた。
その探索方法というのは、今まで気にしていなかった入り口付近を探索してみるというものだった。
他に何も浮かばなかったので、リーザの方法で探してみることにした。
第八階層に入ると、まずは扉の隣を調べてみる。
扉付近には何もなかったため、そこから壁沿いに2チームに分かれて調べていくことにした。
すると、どこからスイッチを押したような音が聞こえてきた。
ガチャ...
「ねえ、なんか押せたんだけど」
エイゼがそう言っていたので近寄ってみてみると、エイゼの手によって壁が一部へ込んでいた。
「エイゼ、何かしたのか?」
「なんか適当に壁をぺたぺたしてたら押せて。何か悪いことが起きなければいいんだけど」
エイゼの心配とは逆に、とてもありがたいことが起きた。
さっきエイゼがスイッチを押したことによって、スイッチの隣に扉が出現した。
「ねえラクト君、これって」
「ああ、隠し部屋だろう」
その扉は、俺たちが探していた隠し部屋だったのだ。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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