爆殺と爆発魔法
魔法を当てては逃げ、当てては逃げを繰り返しているうちに、私とスライムとの距離は、私の視界のギリギリになっていた。
ただ、風属性の初級魔法とはいえ、魔法の連発と走るのを繰り返していたせいで、私の体力はかなり減って来ていた。
このまま鬼ごっこを続けていても、第五階層の入り口に戻ってしまうだけだ。
だったら、ここでスライムを倒すしか無い。
スライムを倒す有効な手段はいくつかあるが、今回は最もポピュラーな方法を選んだ。
それは、『爆殺』だ。
火属性の上級魔法の1つに、爆発魔法の『エクスプロージョン』がある。
爆発魔法を使えば、確実にスライムが再生できないほど粉々にできる。
ただ、爆発魔法は周りにも影響力があるので、もしかしたら天井が落盤する危険性もある。
でも、今は危険性なんて考えている暇はない。
私は、エクスプロージョンが確実に当たる位置までスライムを引きつけて、ここぞというタイミングでスライムに向かって魔法を発動させた。
【エクスプロージョン】
魔力を込め、たったその一言を唱えただけで、スライムの中心から光が溢れてくる。
次の瞬間、スライムの中心にある光から爆発が起こった。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
ドゴーン。
全力疾走で逃げていたため体力が尽きていた俺たちは、安全そうな岩陰で身体を休めていた。
すると、俺たちがさっき走って来た方から大きな爆発音が聞こえて来た。
俺たちは第六階層の終わりの方からここまで走ってくる間に、他の人は誰も見ることはなかった。
ということは、さっきの爆発の正体はエイゼの魔法だろう。
いくらスライムと言えども、爆発魔法が直撃していれば倒せるはずだ。
エイゼは、爆発魔法でスライムを倒したかもしれない。
その証拠はないが、これ以上逃げても入り口に戻ってしまうだけなので、一旦エイゼの元に戻ることにした。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
スライムを中心に爆発が起きる。
爆風の影響で、天井から小さい石がいくつか降って来ている。
土煙が上がり、少しの間、私の視界は奪われていた。
煙が晴れると、そこにはそこら中にスライムの破片が飛び散っていた。
飛び散ったスライムの破片に動きはないため、今の一撃で倒すことができたのだろう。
とりあえずは、散らばったスライムの破片を集める。
スライムの破片はなかなか高価なもののため、手に入れておいて損はないはずだ。
私がそうして破片を集めていると、複数人の足音が聞こえてくる。
その足音の正体は、先に逃がしたみんなのものだった。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。




