時間稼ぎと体力の限界
「逃げろ!急ぐんだ!」
第六階層終盤にて、スライムに追われている俺たちはずっと逃げ続けていた。
しかし、興奮状態にあるスライムの方が早く、最初にあった差はかなり縮まっていた。
このままだと、あと1分も持たずに追いつかれるだろう。
スライムに一度でも捕まってしまったら命はない。
ここまで逃げているうちに色々考えたが、俺は何も思いつかなかった。
ただ、エイゼは何か思い浮かんでいたようで、走りながら俺たちに説明してくれた。
「これから私が足止めするからその隙にみんなは逃げて。もし失敗してもテレポートでみんなのとこに戻るから。ほら行って、早く!」
「くそっ!俺たちにはできることは無い。だから、あとは任せたぞ」
俺たち4人は分かっていた、俺たちの中で戦力的にエイゼに敵うものなどいないことを。
エイゼを置き去りにはしたく無いが、本人に言われ仕方なくその場を後にした。
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「あんなこと言っちゃったけどどうしようかな。とりあえず、魔法を当てて再生させてみようかな。もしかしたら再生中は動きが遅くなるかもしれないし」
考えていてもいつ追いつかれるか分からないから、とりあえず何かやってみることにした。
【カッター】
風属性の初級魔法であるカッターを唱えると、不可視の風の刃が発生し、スライムに向かって飛んでいった。
カッターは見事にスライムに命中し、スライムの身体を真っ二つにする。
真っ二つになったスライムは、動きを止めて自己修復を開始した。
修復を始めてから10秒もかからずに元に戻ったスライムは、すぐに私に向かって進み始める。
やっぱり初級魔法程度では倒すことはできなかったけれど、時間稼ぎぐらいはできそうだった。
私は、すぐに次のカッターを発動させて飛ばした。
カッターによって切れたスライムは、また再生を始める。
私は、その間に走って少しでもスライムから離れようとした。
スライムが再生し終わると同時に、もう一度カッターを使う。
これを何度か繰り返しているうちに、スライムとの距離がかなり広がっていることに気がついた。
ただ、魔法を使って走っての繰り返しだったため、私の体力は激しく消耗されていて、この作戦の限界が近づいていた。
ラクト君たちとの距離が分からない今、これ以上時間稼ぎを続けていても、第五階層の入り口まで戻りかねない。
なので、私はやむを得ず魔法でしっかり倒すことにした。
私が倒す手段として選んだのは、ダンジョンでは危険とされている爆発魔法を使うことにした。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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