治療終了と追跡先生
「傷の治療、終わったよ」
負傷者2人の傷の治療を終えたエイゼが、少し先の探索をして戻ってきた俺に報告してきた。
「そうか、ありがとう。今、この先を見てきたが、すぐに第三階層に続く階段があった。とりあえず、これで第二階層は終わったようだな」
シャドウウルムに囲まれているグループを助ける、というハプニングがあったが、なんとか第二階層を突破する事ができた。
シャドウウルムに囲まれていたグループは、今後どうするかな相談をしていた。
少しすると、相談をし終えたようだ。
「どうやら決まったようだな」
すると、どこからか声が聞こえてきた。
周りには俺たち以外の人はいなかったので、どこにいるのか周囲を確認した。
「こっちだ、こっち」
キョロキョロしている俺に、後ろから場所を教える声が聞こえた。
後ろを振り向くと、身長が高めの男性が立っていた。
おそらく、魔道学園の先生だろう。
どうやってここまでついてきたかは分からないが。
エイゼは知り合いのようで、俺たちのグループを代表して話をし始めた。
「お久しぶりです。それはそうと、追跡魔法と認識阻害魔法を合わせて使うとは相変わらずですね」
追跡魔法は闇属性魔法の一種で、ある程度の距離を取っていれば、自分より魔法の能力が上の人以外には、付いていってもバレないのだ。
よく、暗殺者などが使っている事が多い。
認識阻害魔法は光属性魔法の一種で、光の角度を変えて、他人から自分が見られないようにしている。
これも、自分より上の脳力を持っている人からはバレてしまう事がある。
この魔法は、光属性と闇属性という、相反する魔法なため、同時に使うには高度な技術が必要となってくる。
それを今まで使い続けているとは、相当魔法技術が高い人なのだろう。
でも、エイゼにはバレていたようなので、エイゼより能力は下のようだ。
「相変わらず君の才能は怖いねー。まあ、仕方ない事だね。それより、そっちのグループの答えを聞かせてもらおうか」
そう言って、先生は相談し終えたグループの方に向かって歩いていく。
「今回の課題試験は、今学期1番の成績がかかっているほど大きなものだ。それだけあって、毎年無理をするグループがいる。ただ、そのグループメンバーは、その後の魔物との戦闘ができなくなってしまうのが多い。なぜだかわかるかい?」
「はい、なんとなくわかる気がします」
グループのリーダーがそう答えた。
「なら大丈夫だろう。君たちのグループはここで棄権しなさい」
そう言って、先生は棄権を進めてきた。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。




