暗視魔法と悲鳴
暗視魔法、それは闇属性魔法の1つだ。
その名は『ナイトビジョン』。
闇属性の中でも中級魔法に当たる魔法で、暗闇の中でも灯りがある状態に近い視界を確保することができる。
確かに、ナイトビジョンを使えば灯り魔物にバレることもなくなるだろうし便利だろうが、今まで使っていたフラッシュボールの方が初級魔法のため、マナ効率はいいはずだ。
だが、エイゼには考えがあるようだったので、そのまま説明を聞くことにした。
「暗視魔法、ナイトビジョンは中級魔法だから、初級魔法のフラッシュボールよりマナ効率は悪い。でも、それは継続して使った場合で、私と切り離して仕舞えばマナは消費されなくなるから心配ないわ。切り離しに使うのがエンチャントよ」
なるほど、継続して使った場合では効率が悪いが、俺たちにエンチャントして仕舞えば、時間経過で切れるだけでマナは連続消費しなくて済むようになる。
余ったマナは、俺たちのステータスアップや、魔物に対する攻撃魔法に使うことができる。
俺たちは、エイゼの提案を即承認した。
そして、エイゼはすぐに、俺たちにナイトビジョンをエンチャントと合わせて使った。
扉前の待機エリアでは灯りがあるため、ナイトビジョンの効果が実感できないが、暗闇の中に入ったらわかるだろう。
効果時間はそこまで短くないだろうが、いつ切れるかわからないので、さっさと進むことにした。
扉を開けると予想通りの暗さだったが、ナイトビジョンのお陰でかなり見やすくなっていた。
構造自体は第一階層とほとんど差はなかったがシャドウウルムが同時に数匹出てくるようになった。
と言っても、シャドウウルム5匹出てきても、立ち回りを考えずに火力で押し切れる事が分かった。
なので、戦闘に慣れるために魔物が出てくるたびに前衛のみ、中衛のみ、後衛のみという風に分けて戦ってみた。
前衛の俺とケルフィン、後衛のエイゼとリーザは2人のため、そこまで苦労しなかったが、中衛で1人だけのリヤは少し苦戦していた。
だが、そこまで気になるレベルでは無かった。
そのまま第二階層を進み、20分ほど経った頃。
俺たちはそろそろ第二階層が終わると思い、特殊な魔物が出てくるかもしれないと考え警戒しながら進んでいた。
「うわー!逃げろ、みんなー!」
すると、奥の方から叫び声が聞こえてきた。
俺たちはすぐさま、駆け足で声の聞こえた方に向かった。
声のした方では、見た限り10匹以上のシャドウウルムがグループを取り囲んでいたのだ。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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