ダンジョン説明とマナの不安
この日の授業はこれで終わり、俺はそのまま自分の部屋に帰った。
次の日、ダンジョンに関する授業が行われた。
ダンジョンの基礎知識がない俺にとってはとてもありがたい授業だ。
「今日は、ダンジョンに関する知っておくべき基本知識について教える。まずダンジョンというのは、昔魔王軍の兵士たちの拠点の跡地のようなものだ。そのため、われわれ人間たちに攻撃されても簡単に攻略できないように階層式になっている。フロアボスがいる階層は、魔王軍でも地位が高い者の部屋だったようだ。ここまでわからないやつはいるか?」
ダストル先生はそう言うと、教室全体を見渡す。
今のところ誰もわからない人は居ないらしい。
俺も、ここまではしっかりと理解できている。
先生は、そのまま話を続けた。
「ダンジョン内では、魔物が湧いてくる仕組みになっている。魔物は、もともと魔王軍が警備用で召喚したものだったが、ダンジョンから本拠点に戻る際に、誰かしらに占領されないように、一定数を下回ったら湧いてくる仕組みになっている。フロアボスの場合は、強力なために湧くまでに時間が掛かるようになっている。これが、魔物が湧く仕組みだ。ここまでで質問があるやつはいるか?」
「先生、いいですか?」
先生質問者がいないか聞くと、1人の男子生徒が手を挙げた。
ちなみに、俺はあいつの名前は知らない。
「なんだ?」
「魔物って、魔王軍によって召喚されたんですよね。だったら、普通の武器じゃあダメージを与えられないんじゃないですか?」
たしかにその通りだ。
魔法を使って攻撃できる人数は限られているし、なにより必ず近接武器を使うのが1人以上必要というルールがある。
これじゃあ、俺を含め近接武器を担当している奴は何もできないで終わってしまう。
ただ、やはり課題試験に穴は無いようで、先生はその解決策を言ってきた。
「それは簡単な話だろ。お前たちは今までの授業で何を学んできた?最初の課題試験や中間考査の魔法実技は、このためにあったと言っても過言では無い。それをよく考えろ」
先生が言っていることは間違っていないが、1つ問題がある。
それはマナの量だ。
俺たちのグループにはエイゼやリーザがいるから問題ないが、マナの量が多くないやつが集まったグループもあるだろう。
その場合、序盤を切り抜けられても最下層に行けない可能性が出てきてしまう。
そうしたら、そのグループの生徒はかなり成績が下がってしまうことになる。
俺がそう考えていると、先生は追加で説明をしてきた。
「そうそう、今回の課題試験のことで言い忘れていたことが1つあった。課題試験当日、ダンジョン内に行く前に、全員に上級マナポーションを配るから」
マナ不足の心配は、この一言で消え去った。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
また、誤字脱字等ありましたらご連絡ください。




