静けさと軽い情報漏洩
先生から課題試験の予告をされた次の日、俺はいつもより早く起き学校に行った。
早くと言ってもほんの30分ほどの違いだったが、校舎内ですれ違う人が1人もいなかった。
教室にも数人しか居らず、いつもと違い静かに感じた。
この中で勉強すれば捗りそうだが、今日は用事があるためいつもより早くきているのだ。
荷物を置いた俺は、すぐに教室を出て職員室に向かった。
用事というのは、ダストル先生に課題試験のことについていくつか確認することだ。
廊下を歩いていると、職員室が見えてきた。
もしかしたらダストル先生が来てない可能性があったが、廊下の窓から確認したところどうやらきているようだ。
「失礼します」
そう言って職員室に入った俺は、そのままダストル先生の元に向かった。
「ダストル先生、少しよろしいでしょうか?」
「どうした、ラクト。何かあったのか?」
「次の課題試験についていくつかお聞きしたいことがありまして」
「もちろん構わないが、話せることにも限度があるからな」
課題試験は成績に大きく影響するため、高得点の獲得方法などを教えるわけにはいけないのだろう。
俺はそれを了承し、先生に質問した。
「最初に、ヴィシュヘルが最後に最下層まで攻略されたのはいつだか分かりますか?」
「最後に完全攻略したのは、一月前にここの教師たちで安全確認に行った時だな」
それだと、フロアボスはいるようだな。
これで、フロアボス討伐による加点は確実だと思っても良いだろう。
質問したいことはまだまだあるので、すぐに次の質問に移った。
「では次です。ヴィシュヘル内部に宝箱が隠されていると聞いたのですが、本当ですか?」
「ああ、本当だ。それがどうした?」
「いや、その宝箱を見つけた場合持ち帰っても良いのか確認したくて」
「それは別に構わない。というか、なんで『宝箱が隠されていると聞いた』って嘘をついたんだ?それに、最下層までの攻略についても、フロアボスがいるかの確認がしたかったんだろ」
俺は遠回しに聞いていたが、全てバレてしまっていたようだ。
「どうせまとめ本で調べて、加点対象になるかもしれないとか思ったんだろ」
「はい、その通りです」
「全く、加点については普通に聞いても大丈夫なことだから、遠回しに聞く必要なんて無いんだがな」
「そうなんですか?てっきり、点数に関わることなんで教えてくれないと思ったんですが」
「俺が教えないのは、あくまで高得点を取る方法だ。課題試験は全て、加点無しでも満点を取る方法はあるからな」
「先生、良いんですか?」
「ん?何がだ?」
「そこまで色々俺に教えちゃって」
俺がそう言うと、今聞いたことは無かったことにしてくれと、先生はすぐさま頼んできた。
まあ、俺は無視してすぐに職員室を出て行ったけど。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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