期末考査とダンジョン
エフに過去の話を打ち明けた次の日、学校で期末考査に関する説明がされた。
「次の期末考査だが、前に行った中間考査と同じ形式の筆記と魔法実技を行う。それに加え、お前たちにとっての二回目となる課題試験も行う」
先生がそう言ったとき、教室内がざわめいた。
「静かにしろ。今から課題試験の説明を行うから、聞いておかないと後から大変な目にあうぞ」
先生は教室が静かになったことを確認すると、課題試験の説明を始めた。
「今回の課題試験では、5名で1グループを作り、ダンジョンに挑んでもらう」
ダンジョンとは、地下に作られている建物のことで、中にはたくさんの魔物が居る。
魔物は、ダンジョンの階層が下に行けば行くほど強くなり、数も増えていく。
さらに、一定階層ごとにフロアボスという、他の魔物とは比にならないほど強い魔物が居るのだ。
そんな場所に、まだまだ未熟な俺たちを立った五人で向かわせるとは、何を考えているのだろう。
それに、何のダンジョンに向かうかが重要だ。
ダンジョンによっては、難易度が高くなったり低くなったりと、かなり変わってくるのだ。
さすがに高難易度のダンジョンに入るとは思えないが、具体的にどのダンジョンに入るのかを聞いておくに越したことはないので、先生に聞いてみることにした。
「先生、質問いいですか?」
「なんだラクト?」
「今回の課題試験で使用するダンジョンは決まっているのですか?」
「そこに目をつけるとはさすがだな、ラクト。今回課題試験で使うダンジョンは、学園の最も近くにあるヴィシュヘルだ。今からこのダンジョンに関する資料を配るから、各自目を通しておくように」
先生はそう言うと、ダンジョンに関する情報が書かれた紙を配った。
この世界での紙はそれなりに高価なので、一枚の紙に情報がびっしりと書かれていた。
原文はもう少し読みやすいようになってるのだが。
「全員にわたったようだな。グループは自分たちで作っておけ。できたら班長を決めて俺に報告してくれ。期限は今週中だからな。それじゃあ今日はここまでだ。気を付けて帰るように」
先生が教室を出ると、教室内でグループ決めが始まっていた。
「ねえラクト君、同じグループにならない?私、仲がいい人ってあんまり居ないから」
「俺はいいけど、あと3人はどうする?」
「確かに、どうしようか?ラクト君、誰かいない?」
「うーん。俺も仲がいい人が居るわけじゃないしな」
「あのー、ちょっといいですか?」
グループメンバー決めで困っている俺たちに、1人の少女が声をかけてきた。
どうもMontyです。
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