理由と首席
「ここが目的地です」
先生はそう言った。
だが、俺たちが昨日行った時はもう少し時間がかかったはずだ。
俺は確認のために先生の前を見てみると、そこは何もない完璧なさら地だった。
ケヴィンさんとリシャールさんは疑問を抱いていたが、昨日この場にいた俺とエイゼ、ダストル先生、ロイル学園長は、すぐにこの理由に気がついた。
昨日の学園長のマジックキャンセルと、マーズのヘルインフェルノの衝突によって起きた爆発が原因だと思う。
「お二方、ここであっております」
「しかし、先程はダストル先生に疑問を抱いていたではないです」
そう言ったのはケヴィンさんだった。
ケヴィンさんがそういうのも無理はない。
俺たち4人しか理由を知らないからだ。
その説明については、こうなった原因の学園長がしてくれた。
「その説明については、今からしますので。ときに、お二方はダストル先生からどこまで説明されましたか?」
「学園長殿が、固有魔法のマジックキャンセルで神級魔法を止めてというとこまでですが」
「そこまで聞いているのでしたら、話は早いですね。
リシャールくん、問題です。高い魔力同士がぶつかり合ったらどのようなことが起こりますか?」
「簡単ですね。同じ属性だった場合相殺し、違う属性の場合反発し、爆発などを起こします」
「その通りです。その答えで、この状況の説明ができますよ」
そう言われた2人は、すぐに答えに至った。
「どうやらわかったようですね。では、リシャールくん答えを」
リシャールさんは、今導き出した答えを言ってくれた。
「今回は学園長とマーズが固有魔法と神級魔法を使用したために起こったのだと思います。学園長のマジックキャンセルは、絶級魔法まで確実に止めてしまうほどの魔力を持っています。それに対してマーズは神級魔法を使っています。神級魔法は火の属性神だったこともあり、火属性だと思われます。このため、属性が違い、かつ高い魔力がぶつかり合ったためこのようになったのだと思います。これで合っていますか?」
「正解だ。流石に首席卒業の君には簡単過ぎたかな」
「というか、本当に当たってるんですか?」
「もちろんだとも」
「よくこれだけの被害で済みましたね。と言っても、森を半分近く消しとばしましたが」
「それは...すまないと思っている」
珍しく学園長が反省顔になっている間に、ケヴィンさんとリシャールさんは調査を始めた。
1時間ほど経つと、調査が終わったことをリシャールさんが報告してきた。
「調査は終わったので、私たちはこの辺で帰ります。また何かあったらすぐにご連絡ください。では」
そう言って2人は消し飛んだ森から去っていった。
どうもMontyです。
今回も、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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